有料会員限定

「拡大するBRICS」から垣間見える空っぽな中身 世界に必要なのはG20の復権だ

✎ 1〜 ✎ 694 ✎ 695 ✎ 696 ✎ 最新
拡大
縮小
南アフリカで開催された第15回BRICS首脳会議
南アフリカで開催された第15回BRICS首脳会議(写真:Leon Sadiki/Bloomberg)

「BRICs」という造語を私が2001年に生み出したときの最大の論点は、世界の統治体制(グローバルガバナンス)には主要新興国を組み入れる調整が必要になる、というものだった。ブラジル、ロシア、インド、中国は新興国の上位に位置するだけでなく、全体として世界人口の約半数を統治する国々でもあり、その声を適切に反映させるのは当然といえた。

過去20年にわたり、私のリポートは投資テーマの一種と誤読される一方で、政治グループとしてのBRICS(10年に上述の4カ国に南アフリカが加わった)を支持するものと解釈されてきた。だが、私がそのようなことを意図したことはまったくない。それどころか、09年にブラジルとロシアの外相が正式にBRICsの政治グループを創設する考えを示して以来、私はこの組織体に象徴的なジェスチャー以上の意味があるのか、一貫して疑問を呈してきた。

次ページしかしそれ以外のBRICS諸国は
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内