「血糖値が高い」と気にしている人の重大な盲点 「血糖値の安定」こそが重要な理由

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もうひとつのポイントは「補食はお腹が空く前」に食べることです。お腹が空いたと感じたときはすでに血糖値が下がった状態です。そうなる前に食べることで血糖値を安定させることができるのです。お腹が空く前に食べれば、補食は少量で満足できます。

もしご自分に「ランチ前や夕方にイライラして怒りっぽくなる」「血糖値の乱高下が起こっている気がする」という自覚がある方はぜひ「補食」を試してみてください。

「安易な糖質制限」が引き起こす恐ろしいこと

少し前に糖質の摂取を抑える「糖質制限(糖質オフ)ダイエット」がもてはやされました。今現在も実行されている方がいらっしゃるかもしれません。一概に糖質制限がよくないとは言えませんが、糖質制限が合う方と合わない方がいることは知っておいてください。

すでに述べたように私たちの全身の細胞の主なエネルギー源は血液中のブドウ糖です。血糖値が維持できないと、エネルギーが生産できなくなってしまうため、体は次なる策として脂質をエネルギーに変えます。体内の脂質(体脂肪)を血液で運んで体の各組織に取り込み、細胞内でエネルギーを作るのです。

「体脂肪が減るならば結構なことじゃないか」と思われるかもしれませんが、これは糖質をエネルギーに変えるより大きな手間がかかります。また脂質をエネルギーに変換するには糖質も必要なので、体内の糖質がなくなってしまうと脂質をエネルギーに変換する効率も低下します。

そこで体は第3の作戦を実行します。体を構成しているタンパク質を分解してアミノ酸からブドウ糖を作り出すことで血糖を維持するのです。

つまり体内に「ある程度」の糖質がないと、大事な筋肉がどんどんやせ細ってしまうことになるのです。タンパク質は私たちの体を支える土台となっている大事な栄養素ですから、それを取り崩すのは体にとって大変な負担です。

適量の糖質を摂ることで、血糖値を一定に保つことがいかに大事か、おわかりいただけたでしょうか。

「糖質制限ダイエット」でやせるという話はよく聞きますが、「糖質制限をしてもいい人」と「してはいけない人」がいます。

詳しくは「サプリメントの正体」をご参照いただきたいのですが、合わない人が安易に行うと体調を崩す恐れがあります。糖質制限ダイエットは誰にでも向いている方法、おすすめできる方法ではないのです。

田村 忠司 ヘルシーパス代表取締役社長

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たむら ただし / Tamura Tadashi

1965年生まれ。富山県出身。1988年東京大学工学部産業機械工学科卒業。同年、株式会社リクルートに入社。10年間にわたり、通信事業を中心に経営戦略、新規事業立案、マーケティング戦略立案に従事。1998年「日本老化制御研究所」を擁する日研フード株式会社に入社。取締役経営企画室長、サプリメントの製造子会社の代表取締役社長として活動。2006年「医療従事者が自信を持って使えるサプリメントを提供してほしい」という医師、薬剤師からの要請と出資を受け、株式会社ヘルシーパスを設立。栄養療法に取り組む医師・歯科医師へのサポート・情報提供のため、日本全国を飛び回り、楽しく仕事に取り組んでいる。著作に『サプリメントの正体』(東洋経済新報社)、『健康長寿の栄養学ハンドブック』(日本アンチエイジング歯科学会編:草隆社)、『自由診療・サプリメント導入実践マニュアル』(医業経営研鑽会編:日本法令)がある。

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