歴史的トラウマを直視したハン・ガン氏の文学 ノーベル文学賞受賞者が構築した世界

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ハン・ガンさんは、世界の舞台で韓国文学の地位を高めた「K文学の旗手」でもある。幼少期の暴力のトラウマで肉食を拒否するようになった女性が徐々に死に近づく過程を描いた代表作「菜食主義者」が2016年、英国ブッカー賞インターナショナル部門を受賞し、韓国文学の新たなマイルストーンを築いた。

2023年は長編「別れを告げない」でフランスの4大文学賞であるメディチ賞を受賞した。済州4・3事件の悲劇を3人の女性の視点で描いた小説だ。

歴史の悲劇を視点に

韓国の現代史から題材を取り、そこから死と暴力の問題を直視し、これを詩的な文章に収めた作家と評価される。他にも光州民主化運動の痛みを込めた「少年が来る」をはじめ、「麗水の愛」「私の女の果実」「その冷たい手」「風が吹いて行く」などがある。

スウェーデン・アカデミーは「ハン・ガン氏に電話で受賞の知らせを伝えた。彼は息子と一緒に夕食をとるなど、いつもと同じような一日を過ごしていた」と伝えた。

ハン・ガンさんは女性作家としては史上18番目のノーベル文学賞受賞者でもある。受賞者には賞金1100万クローナ(約1億5700万円)とメダル、証書が授与される。授賞式はノーベルの命日である12月10日に行われる。

ラオスを訪問中の尹錫悦大統領はこの日、フェイスブックに「大韓民国文学史上偉大な業績であり、国民が喜ぶ国家的慶事」と祝福のメッセージを掲載した。

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