株投資に負けない人が見落とさない「稼ぎ」の本質 お金を生む本業がいったい何なのかを見極めよう

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プリンターも同じですね。プリンター自体は手軽に買える金額で売られていますが、トナーを頻繁に購入する必要があります。トナーがキャッシュカウになっているのです。

こうしたキャッシュカウが確立されている企業は、安定した収入がありますから株式投資の際にもとても有望な銘柄になります。

「証券化モデル」への応用も

キャッシュカウは、「安定現金収入」のような発想です。これが見つかると、ビジネスで「証券化モデル」と呼ばれるものへの応用も利きます。

例えば、賃貸オフィスや賃貸マンション、物流倉庫は、その家賃が安定的な現金収入になります。他にもホテル、介護施設なども宿泊料や入居料が安定的な現金収入となります。これらのビルやマンション、施設を小口化して投資家に販売し、投資家がそれらによる現金収入を持分に応じて配当として受け取る仕組みを「証券化」といいます。

そしてこのような不動産を証券化したものを「REIT(リート)」と呼び、他にも有料道路も証券化できます。

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倫理的にいいか悪いかは別として、製薬会社のビジネスもそのようになっていることがあります。世の中には完治することのない「難病」がいくつも存在します。

私は重度の潰瘍性大腸炎を罹患した経験があります。安倍晋三元首相が第一次内閣を辞するきっかけになったことでも知られている難病です。この病気は、難病指定で完治薬がありません。長年付き合いのある主治医の先生が、こうおっしゃっていました。

「潰瘍性大腸炎の薬は、さまざまな製薬会社がこぞって開発しているんです。なぜかわかりますか? それはこの病気が完治しないからこそ、薬を飲み続けなければならず、将来的にもずっと売れるからです」 病気は完治せず、症状を抑える薬を作り続けていれば、ずっと患者が買うのです。つまりこれもキャッシュカウなのです。

渡部 清二 複眼経済塾 塾長
わたなべ・せいじ / Seiji Watanabe

「会社四季報オンライン」でコラム「四季報読破邁進中」を連載。1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年携わる。野村證券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」を開始。2014年の独立後も25年以上継続中で、2022年10月1日には四季報100冊読破。2014年四季リサーチ株式会社設立、2016年複眼経済塾設立。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定AFP、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト

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