これらのケースでよくある答えとしては、そのテナントのビルのオーナーだったり、または企業経営者が趣味程度でタバコ屋さんや喫茶店を営んでいたりすることが挙げられます。本業が別にあって、そこでしっかりと稼いでいるので、趣味のお店にあまり採算を求めていなかったりするのです。
本業は何か、何で稼いでいるのか。これは投資の世界で銘柄を分析するためには欠かせない視点になりますので、ぜひ日頃からトレーニングしてみてください。
「金を生む牛」を見つけろ
こうしたビジネスの本質を捉えるためにぜひ覚えていただきたい概念があります。それが「キャッシュカウ(cash cow)」です。直訳すると、「金を生む牛」となり、乳牛が牛乳を出し続けるようにお金を生み出し続ける仕組みを指します。日本語では、「金のなる木」という表現もありますね。
先のタバコ屋さんや喫茶店などは、まさに別の事業がキャッシュカウになっているのです。このキャッシュカウは、探せば日常の中でたくさん見つかります。
例えば、特急電車に乗って観光地に行くとしましょう。
特に平日は、座席が全然埋まっていないガラガラの特急電車に乗ったことがある方もいるかもしれません。このケースでは、通勤電車がキャッシュカウとなって、ガラガラの特急電車をまかなっている構図になります。
また、本業の鉄道事業以外でもキャッシュカウがあるのかもしれません。
最近は少なくなりましたが、携帯電話の安売りも同じです。端末販売の一時的な売上高でお金を回収するのではなく、その後ずっと続く通信料でお金を回収する仕組みで、このケースでは通信料がキャッシュカウになっています。