「地震と豪雨」能登半島ダブルパンチの深刻さ 現地調査した専門家が検証「今後警戒すべき点」
能登半島の地形と地理的位置を押さえておきたい。金沢市から奥能登の中心都市、輪島市までは約110㎞あり、能登半島は山がちで急峻な地形が多く、低地(周辺部より相対的に高度の低い土地)は少ない。
輪島市(426.2平方キロメートル)と珠洲市(247.2平方キロメートル)を足した面積(673.4平方キロメートル)は、東京23区の面積(627平方キロメートル)を上回る。
しかし、人口は輪島市が約2万人、珠洲市が約1万人の計3万人強で過疎化が進む。輪島市輪島地区といった市街地、古くからの幹線道路に沿った集落や漁村集落のほか、狭い谷あいに数戸~数十戸単位の小さな集落が分散している。
地震によるダメージが豪雨被害を大きくした
このような地理的条件に加え、1月の地震被害が重なった。
能登半島地震では、道路や上下水道のライフラインに大きな被害が生じ、多くの孤立集落を生じさせた。狭い低地部では地震により液状化現象が多く発生。橋梁や道路、家屋被害のほか、地下の埋設配管に被害が発生した地域も多い。
また能登半島北岸の沿岸部では最大4mという地盤の隆起が発生。ほかにも山間部で多くの土砂崩れや川への土砂堆積が発生し、河川では護岸や堤防などへの被害も生じていた。
輪島市の市街地付近でも、複数の土砂災害や土砂流出のほか、輪島市役所東方の台地上にある輪島中学ではグラウンドが段々状に崩落する被害もあった。
市街地ではインフラの復旧が進んでいたが、特に山間部は復旧途上という状況で豪雨が発生してしまった。
公開されている情報から地震後と、豪雨後の斜面崩壊・土砂堆積を比較してみる。地震で被害があった地点を起点に、または隣接しているとみられる崩壊・堆積地点も少なくない。
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