「日本の洋上風力発電」に決定的に足りないもの 国主導の海鳥調査による基礎データが圧倒的に不足
洋上風力発電に高まる期待
――洋上風力発電への期待が高まっています。
2010年に日本風力発電協会が出したロードマップをみると、風力発電の業界はこの時すでに2030年代に入ると陸上風力は頭打ちになり、洋上風力発電の導入が進むというビジョンを出しています。現在はほぼその通りに導入が進んでいます。
――陸上の巨大風車群建設計画をめぐり、希少種の鳥の生息域とバッティングするとか、景観を損ねるといった問題で地域住民や自治体が反対し、事業者による計画の撤回もおきています。陸上の建設適地に限りがあるので洋上へ、ということでしょうか。
そういうことです。
――再エネ海域利用法(海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律)が2019年に施行され、設備設置海域をEEZ(排他的経済水域)内に広げる改正案が出され、継続審議中です。政府は2040年までに3000万kW~4500万kW、最大で原発45基分もの発電量を洋上風力で生み出すことを目標にしています。
昨年・今年は大規模な商業運転開始の年、洋上風力拡大導入のスタート地点です。北海道の石狩湾新港に14基が並ぶ洋上風力発電所は1月に商業運転を開始しました。秋田県の秋田港、能代港の洋上風力も昨年1月に商業運転を開始しています。
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