インフレ時代に値上げを成功させる交渉のコツ デフレ時代とは価格交渉の仕方も変わってくる

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今の世の中は、あっという間に変わっていきます。したがって、交渉を成功させるためには、相手の情報を常に最新にアップデートすることが不可欠です。

特に価格交渉において、相手がどのようなプロセスを経て進めていくのか、最近の傾向や変化などをウォッチしましょう。例えば、同業他社が値上げをしたタイミングで自社も同様の交渉を行うことが重要です。

もし、他社の値上げが終わっている段階で、後から値上げをお願いすると、相手から「もっと早く言ってくれれば……」という反応が返ってくるかもしれません。そのため、相手企業のみならず同業他社の動きなど、周辺の最新情報にもアンテナを張っておく必要があるのです。

相手企業の業績にも注意を払う

また、相手企業の業績にも注意を払いましょう。業績が悪化している場合は、値上げの交渉は難航するかもしれません。逆に、好調なときは、値上げを受け入れてもらえる可能性が高くなります。

さらに、相手企業との取引関係が一方的ではなく、買いと売りの両方がある場合、最大限それを活用したいものです。

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例えば、購買部が相手企業からの値上げ要求を受け入れた場合、その情報を共有した営業部は、「弊社の購買部が、御社の値上げ要請をかなり受け入れたと聞いています。全社的なお付き合いを考慮いただき、今回の弊社の値上げも認めてもらえませんか」と交渉するのです。購買部門と営業部門の部門間での意見交換や情報共有を積極的に行うことで、交渉を成功させるための基盤をつくることができます。

相手のニーズや市場環境の変化も常に把握しておきましょう。相手企業のライバルや顧客の動向、決裁ルートの変更など、これらの情報を常に最新のものにアップデートすることで、交渉においてより有利な立場を築くことができます。

また、相手企業がどのようなルールで値上げを受け入れるのかを確認することも重要です。これにより、交渉の際に相手のルールに沿った提案を行うことができ、交渉を有利に進めることができます。このように、価格交渉のタイミングやルールも事前に確認しておくことが大切です。

生駒 正明 株式会社ビジネス交渉戦略研究所代表取締役

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いこま まさあき / Masaaki Ikoma

慶応義塾大学商学部卒業後、丸紅株式会社に入社。国内外1万件の交渉に携わった33年間を経て独立。総合商社の現場で培った交渉ノウハウを「交渉準備の7ステップ」に体系化。交渉力強化により、企業の売上や利益を劇的に向上させるビジネス交渉コンサルタントである。徹底した交渉準備の強化とロールプレイを重視した実践的な研修が高い評価を得ている。「交渉でもったいないを無くす」をモットーに、価格交渉セミナーを全国で展開中。商社時代にプロライセンスを取得した元プロボクサーでもある。著書に『ビジネス交渉力の鍛え方』(セルバ出版)がある。

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