開発に当たってはプロジェクトチームを立ち上げて「特急車両並みのデザイン展開」を図った。チームには、「アーバンライナー」や「伊勢志摩ライナー」などを手がけたデザイナーの山内陸平氏のほか、天龍工業技術開発部、近畿車輛デザイン室・設計部、近鉄車両部が名を連ねる。「座り心地やデザインに関係するシートの形状と、転換機能の実現とは寸法上相反する」ため、デザイナーと設計者は3次元の寸法チェックを何度も繰り返したという。
「画期的な車両」と評価
デビュー翌年の1998年に鉄道友の会の「ローレル賞」を受賞した。同会は受賞理由を「任意に自動転換できる世界でも例のない画期的な車両」であることのほか、省エネ面でも工夫されていると指摘。「このような特筆される企画性や技術を大きく評価」したという。同年のローレル賞はほかに叡山電鉄の展望車両「900系」、熊本市交通局の超低床路面電車「9700形」。最優秀の「ブルーリボン賞」はJR西日本の「500系」新幹線だった。
L/Cカー、デュアルシートは当時の通商産業省のグッドデザイン商品にも選定。1957年の同制度創設以来、鉄道車両のシートが選ばれたのは初めてだった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら