吉利の創業者の李氏は、かつては「自動車狂」と呼ばれたほど自動車事業にのめり込んでいた。
しかしこの数年、李氏は自動車事業の日常の舵取りを腹心に任せ、自らは投資事業(を通じた事業領域の拡大)に関心が移っていた。吉利系ファンドの現時点の投資先は、自動車関連だけでなく人工衛星、スマートフォン、空飛ぶクルマ、金融など多岐にわたる。
ところが、中国自動車市場が2023年から激烈な価格競争に突入したことが、李氏の危機感を呼び覚ました。2024年に入ると、李氏は(吉利のイベントなどの)公の場にたびたび姿を現すようになり、今回発表した方針転換を自ら主導する決意を固めた。
利益相反や重複投資を解消へ
新経営指針の台州宣言は、自動車事業への戦略的集中、事業領域の整理・統合、部門間のより深い協業、健全で持続可能な経営、人材育成の強化という5本柱を掲げる。また、クルマの電動化とスマート化を揺るぎなく進めると同時に、エンジン車の競争力も継続して高めるとしている。
吉利は今後、グループ傘下の各事業を精査し、それらの位置付けや資本関係をはっきりさせたうえで、統廃合を進める考えだ。各事業間の利益相反や重複投資などを解消し、限られた経営資源の効率的利用を目指す。
「その実行は、一部の事業を廃止・再編することを意味する」と、李氏は明言した。だが、具体的にどの事業が対象になるのかについて、吉利は明らかにしていない。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は9月21日
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