石破新政権に「安倍カラー」払拭を期待する韓国 尹大統領「岸田ロス」の中、北朝鮮政策では不安感も
韓国政府で長く日本を担当してきた当局者やメディア関係者らが持つ石破氏のイメージを考えると、当然といえる伝えた方だろう。石破氏といえば、かつての歴史認識関連の発言を覚えている人が少なくないためだ。
例えば、通信社の聯合ニュースが配信した関連記事に如実に表れている。
2019年8月に安倍政権(当時)が韓国に事実上の経済制裁を科し、これに反発した韓国の文在寅政権(同)が、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長破棄を発表したことがあった。記事は、石破氏が当時、自身のブログにこのようにつづった、と紹介した。
「わが国が敗戦後、戦争責任を正面から直視しなかったことが多くの問題の根源にある」
「日本にとっても韓国にとっても、このままでいいはずがない。 何とか解決してかつての小渕恵三首相と金大中大統領の時代のような良い関係に戻ってほしいと思う人は少なくあるまい」
韓国側が抱くのは、安倍政権が終わった後も日本政府内に根強く残る「安倍色」を石破氏がどれほど打ち消し、かつての「親アジア」的な外交に戻してくれるかとの期待である。
「高市だけは勘弁」透ける本音
一方、高市氏はこれまでも歴史問題で韓国に厳しい言動が目立っていたが、とりわけ今回の総裁選を通じて、韓国政府が敏感だったのは靖国神社の参拝発言だ。
高市氏は今後の参拝について聞かれるたび、「内心、心の問題だ。これからも続けたい」「普段通り、淡々とお参りしていく」と述べ、首相に就任した後も参拝する考えを強調していた。
普段通りとなると、すぐ近くに控えるのは10月の秋の例大祭。韓国政府関係者らが、もし高市氏が勝利すれば、せっかくこれまで岸田氏との間で積み上げてきた緊密な関係が音を立てて崩れかねない、と危惧したのはいうまでもない。
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