「内戦や武力衝突リスク」を左右する「3つの特徴」 2度目の紛争を回避した国の多くが持つ志向性
内戦やテロの背景でうごめくもの
暴力は、不正、不平等、不安などから生じる。そこから生じる憤怒や恐怖は、現状の体制ではどうにもならない。
しかし、体制は変革しうる。南アフリカの白人が、自民族支配強化のためにわざわざこしらえた体制を自らの手で変革するとは、誰の脳裏にも浮かばないことだ。
だが、支配のための維持費用があまりに莫大なものとなり、度重なる経済制裁からの脱却を後押しする財界の声もあり、彼らは体制を解体するほうを選んだ。南アフリカにできたことが、アメリカにできないはずはない。
過去半世紀にわたり専門家によって収集されたファクトやデータすべてから、アメリカにこれから起こることを正確に伝えられたらと願う。
しかし、いかに質の高いデータをもってしても、未来を知ることはできない。私たちにできるのは、他の市民と手を携えて、未来を平和へと舵を切る努力のみである。政治学者は数十年の歳月をかけて、内戦やテロの背景でうごめく諸力を研究対象としてきた。それらに伴う知見は、内戦の予期のみでなく、阻止のために用いることもできるはずである。
なぜ民主主義が衰退していくか、私たちは知っている。なぜ派閥が生まれるのか、どのような条件で派閥が力を得るかも知っている。暴動をけしかける過激派の早期警報や戦術だって織り込み済みだ。プラウド・ボーイズのようなグループには台本があるのだ。ならば、われわれ市民が未来を切り開く選択を手にしていないはずがない。われわれにだって台本というものがあるのだ。
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