11月の米大統領選挙が着々と近づく中、民主党は経済と民主主義の未来のどちらを選挙戦の軸に据えるかで今も議論を続けている。だが筆者らの研究によれば、両者は密接に結び付いている。高レベルの所得格差は、民主主義が独裁に滑り落ちる危険性を高めるものなのだ。米国は極めて不平等な国だが、その格差の原因の一端は民主主義の劣化にある。
カギとなるのは経済的格差
世界では二十数カ国で民主主義の劣化、あるいは退歩が起きている。中でも共通して見られるのは、選挙で選ばれた大統領や首相がメディアや司法、公務員、市民団体を攻撃したり、自身が負けた選挙の信用をおとしめたりすることで、自らの権力を拡大する動きだ。
筆者らが行ったグローバルな分析は、社会が不公平なほど民主主義劣化の危険が大きくなるという驚くべき規則性を明らかにしている。国民所得(1人当たり国民総生産=GDP)の影響は大きくない。カギとなるのは格差だ。
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