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プラトンが完全に示していたトランプ現象の本質 大衆は感情に支配され、うそに簡単に感化される

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選挙集会で演説するトランプ氏
(写真:アフロ)

米大統領選挙が行われた11月5日の夜遅くから、私の携帯電話は「どうしてこのような結果となったのか」と尋ねるメッセージであふれることとなった(トランプの楽勝になると筆者が確信していたことを、友人、同僚、知人は知っていた)。すべてのメッセージに詳しく答える代わりに、ここでそれを説明しよう。

デマゴーグや暴君の卵たちが民主的な選挙に勝利する仕組みは、少なくともプラトンが『国家』を著してからの2300年間にわたり、哲学者にはよく知られてきた。そのプロセスは単純であり、私たちはそれが展開するさまを今まさに目撃している。

民主主義国では誰もが選挙に出馬できるが、そこには政府組織を率いるには完全に不適格な人物も含まれる。そうした不適格性をはっきりと示す兆候の1つは、息を吐くようにウソをつく姿勢だ。その代表例が、「国民の敵」とされるものに対し、自身を守り手と位置づけるものである。プラトンは普通の人々を感情によってたやすく支配される存在、すなわちウソのメッセージに感化されやすい存在と見なした。この議論は、大衆政治理論の真の礎となっている。

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