4位は富士フイルムホールディングス(9,783百万円)。同社は「生物多様性方針」を定めて、生物多様性の保全に関する基本認識と行動指針をグループ全体で共有する。1983年に設立した公益信託富士フイルム・グリーンファンドを通じて、自然環境の保全、育成に関する活動や研究への助成および支援も行う。
5位は東レ(8,497百万円)だ。「東レグループ緑化基本方針」を制定し、国内関係会社を含む全工場で緑化保全活動を実施。三島工場では、緑化活動が評価され、2022年度の全国みどりの工場大賞で「日本緑化センター会長奨励賞」を受賞している。
以下、6位日本電信電話(NTT)、7位資生堂、8位NTTドコモ、9位日本製紙、10位オムロンと続く。
生物多様性保全活動への支出額の平均値は増加
次に、生物多様性保全に関連する全体的な傾向をみてみる。『CSR企業総覧(ESG編)』2023年版から2024年版にかけて、生物多様性保全活動への支出額の平均値は177.4百万円(対象社数は524社、以下同)から237.3百万円(530社)へと増加した。
一方で、TNFD開示への対応については、2024年版では「行っている」が13.0%、「検討中」が35.2%、「行っていない」が49.4%、「その他」が2.5%であった(1080社)。生物多様性に関連する取り組みは進んでいるものの、TNFDへの対応は道半ばだ。
なお、いずれの集計値も、『CSR企業白書』2023年版、『CSR企業総覧(ランキング&集計編)』2024年版に収録されている。
今回のランキングに掲載されている企業は、昨年のランキングから継続して上位にランクインしている企業が多く、さらに取り組みが進んでいる印象だ。今後は、取り組みを進める企業の裾野が広がっていくのか、全体の傾向にも注目したい。
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