「夏に頑張っても結果出ない」東大生が語る"要因" 夏休み頑張っても模試の成績伸びないのはなぜ

✎ 1〜 ✎ 140 ✎ 141 ✎ 142 ✎ 143
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

漫画で描かれているとおり、成績はカーブを描いて伸びていくものです。最後の最後で伸びていくため、「11月になって一気に成績が上がった」という受験生だってザラにいます。去年僕が教えていた生徒の中にも、今までは志望校でE判定だったのに、最後の模試で一気にA判定に浮上した人がいました。

なぜこんなことが起こるのか? その理由は、「定着」には時間がかかるからです。野球でも、フォームを理解して「こうやって打てば、球が前に進むんだな」ということを頭でわかっていたとしても、身体が追いついていないことが多いでしょう。何度も素振りをして、身体に刻み込まなければ、ミスしてしまうことも多いはずです。

勉強もそれと同じです。学んだことを身体に定着させるのには時間がかかるのです。

例えば数学で覚えた公式を、テスト本番で使えるようになるためには、その公式を使って何度も練習を繰り返す必要があります。「こういう問題ではこの公式が有効なんだ」「ここで間違えやすいんだ」ということを5回以上経験しなければ、本番で使えるようになりません。

この連載の一覧はこちら

英語であれば、新たに覚えた英単語・英文法を、長文問題や英作文問題で使えるようになるためには、2〜3カ月はかかります。1日がっつり英単語・英文法を覚えた程度では問題が解けるようにはならず、何度か「あ、この単語、この前勉強したやつだな」という経験を重ねないと、成績にはつながっていかないのです。

ほかの科目でも同様です。何度か忘れつつ、間違えつつでないと、なかなか定着しない。でも、一度定着してしまえば、自然に使いこなせるようになります。

勉強もできるようになるときは一瞬

自転車に乗れるようになったときのことを思い出してください。補助輪をつけないと乗れなかったのに、練習を続けていたら、ある時期から補助輪なしで乗れるようになって、そこからはずっと乗りこなせるようになった。そんな人も多いのではないでしょうか。それと同じで、一度乗れるようになれば、あとは忘れないのです。

勉強もできるようになるときは、一瞬です。「だんだんできるようになる」というより、「ある地点から一気にできるようになる」というほうが正しいのです。

9月の時点まで模試の結果が振るわないという人も、志望校との距離がまだ遠いという人も、安心してもらえればと思います。今の時点では結果につながっていないかもしれませんが、一気に成績が上がるタイミングが来るはずです。今は結果が出ていなくても、耐え忍んで勉強に励んでもらえればと思います。

受験勉強や、子どもへの教育など、西岡壱誠さんへの質問を募集しています。こちらの応募フォームからご応募ください。
西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事