まるでホラー「教育虐待」描いたマンガの深い意図 第三者が認識しにくい「密室での暴力」の深刻

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地方は物理的スペースは広いのですが、生活圏はものすごく狭い。そういう中では教育虐待が起きやすいリスクがあると感じます。なのに、教育虐待に対する認識は薄いため、首都圏よりも子どもはつらいかもしれません。

児童相談所で保護されるレベルの子たちであっても、3分の1の子は自分が虐待されているとわかっていません。性的虐待や身体的虐待、ネグレクトなどの一般的な虐待は外見などから、物理的にもわかるものですが、それでもこれだけの子がわかっていない。

心理的虐待は目に見えないため、なおさらわかりにくいです。それに、親のほうも虐待をしているという認識がない場合が多い。子どもを壊していることに気がつかない。

例えば、中学受験の前後に、子どもが勉強のストレスなどで突然ドロップアウトして学校に行けなくなったような場合、うちの子が弱くてそうなったとか、他の子からいじめられた、悪口を言われたなどと、よそに責任転嫁する親は多くいます。

こういう方は、自分自身の行動によって子どもが傷ついているとは思っていない。でも、教育虐待の認知が広がれば、学校の先生などが手を差し伸べられるかもしれない。教育虐待という概念をある程度、現場のところまで広めたいんです。そのためにもやはりマンガという表現には可能性があるんじゃないか。

一般的な虐待同様に、教育虐待についてもチェックする機会があれば、深刻化する前に何かしらの手を差し伸べることができるのではないかと思います。

後編に続く)

宮本 さおり フリーランス記者

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みやもと さおり / Saori Miyamoto

地方紙記者を経てフリーランス記者に。2児の母として「教育」や「女性の働き方」をテーマに取材・執筆活動を行っている。2019年、親子のための中等教育研究所を設立。

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