AGC、3期連続下方修正で「過去最悪赤字」の言い分 事業の多角化を進めても業績はなお不安定

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2024年度はCDMOを含むライフサイエンス事業で240億円の営業赤字を見込むうえ(従来予想は30億円の黒字)、先行きの厳しさからCDMO関連で1183億円の減損損失を計上せざるをえなくなった。これが最終赤字への転落を招いた。

「ダブルパンチがあった――」。平井社長はCDMOの業績が悪化した理由をそう振り返る。

第1のパンチがコロナ関連の需要の急減だ。「コロナの特需があって(CDMOの)需要が急激に伸びたので(需要を一層取り込もうと)投資判断した設備が立ち上がって固定費が増えた。だが、(感染流行の鎮静化で)需要は急速になくなってしまった。投資から立ち上げまで3年くらいかかる中で、コロナの需要がどれだけ続くのかは読み切れなかった」(平井社長)。

第2のパンチがアメリカの金利上昇だ。平井社長は「これほど米国の物価が急上昇して、金利もここまで上がるとは読めなかった」と話す。CDMOの主力事業の1つがバイオベンチャー向けの開発品。だが、金利上昇でバイオベンチャー側の資金調達が難しくなったことで開発の需要も停滞してしまった。

「次のピークは必ず来る」と強気だが…

受託開発・製造とも市場拡大を前提にAGCは設備増強を急いできた。足元では、シナリオが狂ったことで膨張する固定費を賄えるだけの売り上げを稼げない状況に陥っている。

それでも平井社長は、「リスクは読めなかったが、だからといって投資を抑えればよかったのかと言えばそうではない。今は先行投資型となって悪い面が非常に出てしまっているが、次のピークは必ず来る」と強気の姿勢を崩さない。

もっとも、下方修正が続く原因はCDMOだけではない。

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