高速列車や水素車両「国際鉄道見本市」の最前線 「イノトランス2024」注目の展示車を一挙紹介

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高速列車ヴェラロは、デビューからだいぶ年月が経ってはいるものの、今も新規受注を獲得するなど人気のモデルとなっている。ただ、エジプト向けは最高時速230kmと、高速車両としてはかなり控えめなスペックだ。

Siemens Velaro for egypt
エジプト向けの高速列車「ヴェラロ」(撮影:橋爪智之)

新型旅客列車ヴェクトレインは、オーストリアの新型「レイルジェット」や「ナイトジェット」に似たデザインではあるが、ベースは初代レイルジェットの車両と同様の「ヴィアッジョ・プラットフォーム」を採用している。すでにレイルジェットの使用実績があるチェコ向けであるため、認可を取得すれば運行開始は早いものと思われる。新型の230km/hヴェクトロン機関車との組み合わせで、スピードアップも期待される。

siemens vectrain
シーメンス/シュコダの新型客車「ヴェクトレイン」(撮影:橋爪智之)

スイス・シュタドラーは8車種を展示

毎回、イノトランスに多くの車種を持ち込むスイスのシュタドラーは、今回も8車種を用意。面白いのは「RS ZERO」と呼ばれる1両のバッテリー車両で、パンタグラフを介して取り入れる架線からの電力で充電するシンプルな構成だが、ソファのようなラウンジシートや、窓側に設けられたデスクに向かって座るビジネススペースなど、インテリアにも工夫が凝らされている点が興味深かった。

Stadler RS ZERO
シュタドラーのバッテリー車両「RS ZERO」(撮影:橋爪智之)

ポーランドのネヴァグは、高速旅客用電気機関車「グリフィン200km/h」を展示。ヨーロッパの電気機関車市場は、シーメンスのヴェクトロンとアルストムのTRAXX3がほぼ独占している形だが、まずは地元ポーランド鉄道へ導入が決まった。他国でも採用されるかが注目される。

poland griffin
ポーランドの新型旅客用機関車「グリフィン200km/h」(撮影:橋爪智之)

身売りで揺れているスペインのタルゴは、ドイツの新型旅客列車ICE-Lの牽引用として使用する予定の電気機関車がようやく姿を現した。機関車の製造がかなり遅れていたが、先に完成して試運転を行っている客車も認可取得が難航し、すでに納期が1年以上遅れることが発表されている。無事に納入されるのか、別の意味で注目される。

Talgo locomotive for ICE-L
「ICE-L」牽引用として製造されたタルゴの新型機関車(撮影:橋爪智之)

世界が本格的にコロナ禍を脱してから初の開催となる今回のイノトランス。2022年と比較すれば高速列車からトラムまで、全体的にはかなりバラエティに富んだ展示内容になったと言えるだろう。

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橋爪 智之 欧州鉄道フォトライター

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はしづめ ともゆき / Tomoyuki Hashizume

1973年東京都生まれ。日本旅行作家協会 (JTWO)会員。主な寄稿先はダイヤモンド・ビッグ社、鉄道ジャーナル社(連載中)など。現在はチェコ共和国プラハ在住。

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