中国鉄道メーカー、「水素車両」を積極展開の裏側 鉄道見本市、進出難航の「欧州向け」は出展せず

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
CRRC CINOVA H2
「イノトランス2024」会場内でもかなり目立つ場所に展示されたCRRC(中国中車)の車両=2024年9月(撮影:橋爪智之)

世界最大の鉄道メーカーとして君臨する中国のCRRC(中国中車)。2年に1度、ドイツ・ベルリンで開かれる「イノトランス」(国際鉄道見本市)ではこれまで、同社が何としても開拓したいヨーロッパ市場向け車両のほか、車体の主要構造にカーボンファイバーを用いた地下鉄車両の展示を行うなど、意欲的に自社技術を売り込んでいた。

カーボンファイバー製車両は大きな注目を浴び、後に中国国内では営業運転も開始されている。

では、2024年のイノトランスにCRRCはどのような車両を持ち込んだのか。

「ヨーロッパ向け」車両は展示せず

今回、同社が会場に展示したのは、水素燃料式都市間特急列車「CINOVA (シノヴァ)H2」と、次世代型トラム車両「CRRC ART(AUTONOMOUS RAIL RAPID TRANSIT)」の2車種だ。

【写真】CRRCが出展した「玉虫色」の水素燃料車両とゴムタイヤ式トラム。過去のイノトランスで展示したヨーロッパ向け電気機関車や電車の試験線での様子も

CINOVA H2は、水素燃料を動力源とする最高時速160~200kmの車両。車内には転換クロスシートを設けているが、通勤電車のロングシートのように横向きにもセットできるという点が面白い。航続距離も1000km以上(時速160km以下で走行した場合)とかなり長い。

CRRC ARTはバッテリー駆動のトラムだが、ゴムタイヤを装備しており、新たに軌道を敷く必要がない。道路上に白線を引くだけで、車両に設置されたセンサーがそれを追随する仕組みとなっている。

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事