高速列車や水素車両「国際鉄道見本市」の最前線 「イノトランス2024」注目の展示車を一挙紹介

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とくに注目すべき点としては、今回のイノトランスにて発表されたデジタルアセットマネジメントプラットフォーム「HMAX(エイチマックス)」の搭載だ。これは運転や車両保守、保線に至るさまざまな情報をAIの活用により分析管理、最適化するものだ。

frecciarossa ETR1000 business class
改良型フレッチャロッサ・ミッレのビジネス(1等)座席(撮影:橋爪智之)

世界シェアトップを堅持する中国のCRRC(中国中車)は、都市間特急用の水素燃料車両「CINOVA(シノヴァ) H2」を展示した。中国国内向け車両で、車内には日本の私鉄の通勤ライナーのような、窓側に沿った配置(ロングシート)にもできる転換クロスシートが並ぶ。最高速度は時速160~200kmと公表されている。中国の新たな環境対応型車両として、今後が注目される。

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CRRC製の水素燃料式車両「CINOVA H2」。光の反射によって虹色に見える(撮影:橋爪智之)

韓国のヒュンダイロテムも水素燃料を動力源とした車両を持ち込んだ。こちらはトラム(路面電車)で、大田市で使用される予定という。低床式のトラムは床下にスペースがないため、水素のタンクをどこに設置するかが課題となるが、同社の技術者によれば屋根上に制御装置などと並べて設置しているという。

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ヒュンダイロテムの水素燃料トラム(撮影:橋爪智之)

2022年のイノトランスでは、欧州系主要メーカーが水素燃料車両を展示して注目を集めたが、今回はアジアの2社が水素燃料車両を展示した点は興味深い。ただ、韓国の場合は水素の供給源をどうするのかというインフラの面が少々気になる部分でもある。

シーメンスの「エジプト向け高速列車」

フランスのアルストムは、ドイツのニーダーザクセン州地域に投入する予定の2階建て近郊型電車「コラディア・マックス」を展示。同社のコラディアシリーズは、丸みを帯びたデザインが特徴であったが、最新モデルはシャープな顔立ちにモデルチェンジした。一見するとオール2階建てのようにも見えるが、中間客車の一部は連続性を持たせたデザインの平屋構造で、そこに制御装置などを搭載している。

このほか、アルストムは吸収合併したボンバルディアから受け入れた「TRAXX3」汎用型電気機関車も展示している。

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アルストムの2階建て近郊型車両「コラディア・マックス」(撮影:橋爪智之)

ドイツのシーメンスは、同国の高速列車ICE3や国際列車ユーロスターのベース車両として知られる高速車両「ヴェラロ」のエジプト向け仕様、近郊型車両「ミレオ・スマート」、高速旅客用電気機関車「230km/hヴェクトロン」、そしてチェコのシュコダと共同開発したチェコ鉄道向け新型旅客列車「ヴェクトレイン」を展示している。

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シーメンスの近郊用車両「ミレオ・スマート」(撮影:橋爪智之)
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