故障で全面運休も、欧州「水素列車」の前途多難 期待高いが時期尚早?メーカーもトーンダウン

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H2 goes Rail siemens mireo plus
2022年の「イノトランス」に展示された水素燃料車両。各社が水素燃料車両のアピールに必死だった(撮影:橋爪智之)

前回、2022年9月のイノトランス(国際鉄道見本市)会場。屋外展示場にずらりと並んだ各メーカーの新車の中で、ひときわ存在感を示していたのが、水素をエネルギー源とする水素燃料車両たちだ。

排出するのは水だけという水素燃料車両は、文字通りゼロエミッションを実現した近未来の動力源として、過去数年にわたってメーカー各社が製品を展示し、世間も手放しで褒め称えた。

世界の中でもとりわけ環境問題に敏感な昨今のヨーロッパ地域では、「低公害」「環境に優しい」といったフレーズが常に注目を浴びる。水素技術もその流れに乗った形で、イノトランスという舞台はまさに格好のアピールの場となった。

国際見本市でも存在感薄れる

では、それから2年経った2024年、ヨーロッパの鉄道における動力源は化石燃料から水素燃料へと大きく舵を切り、多くの鉄道会社が採用に踏み切っているのだろうか。そして2024年のイノトランスでも、水素燃料車両が屋外展示場を埋めたのだろうか。

結論から言えば、それはノーだった。

【写真】どんなデザイン?ドイツで運行開始したものの故障続きの「iLint」、2022年の「イノトランス」で展示されたシーメンス製やカリフォルニア向け、そして今回出展の韓国製トラムなど、さまざまな水素燃料車両

2024年のイノトランスに持ち込まれた車両のうち、水素燃料技術を大々的にアピールしたのは中国中車(CRRC)の都市間特急用車両「CINOVA H2」と、韓国ヒュンダイロテムの韓国・大田市向けトラム車両くらいで、ほかはスイスのシュタドラーが展示した実験車両「RS ZERO」が水素もバッテリーも対応可能、ということを売りにするなど、他社はオプションの1つという程度へトーンダウンしている。

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