では、何をもって「障害」と考えるのか。大切な目安は、その特性のために本人が困っているかどうかです。
特性のせいで生きづらい、周囲となじみにくい。苦労しているのなら、それは発達障害と言っていいでしょう。
特性を持っていても、それによる生きづらさを感じずに生活できている、自分なりの工夫で適応しているならば、障害ではありません。
発達障害の特性は、あなたの個性でもあります。自分の個性を理解しながら、生きづらさをやわらげる方法を考えていきたいですね。
発達障害と間違われやすいこと
人は乳幼児期に、世話をしてくれる人(多くは親)との間にしっかりとした愛情の絆を結びます。これが人への信頼感や自己肯定感につながるのです。発達の土台に愛情の絆がないことであらわれるのが愛着障害。人とほどよい距離がとれない、過剰反応するなど、発達障害に似た様子が見られることがあります。発達障害は生まれながらの脳の機能によるものですが、愛着障害は成長の過程で起こります。
暮らしに差し支えるほど気持ちがふさぎ、喜びややる気が極端に落ち込む病気。集中力が続かない、怒りっぽい、表情が乏しいなど、発達障害と似た様子が見られます。強いストレスが引き金になるとも考えられています。発達障害の人は、周囲とうまくいかず自分を責めることがよくあります。そのストレスが二次障害として、うつ病を引き起こす場合もあります。
頭の中に何かのイメージが浮かんでとらわれてしまい、そこから抜け出す行為をくり返します。しょっちゅう手を洗わずにいられない、戸締まりを何度確認しても安心できないなど、症状のあらわれ方はさまざまです。きちょうめんな性格、仕事や家庭でのストレスなどが原因ではないかと考えられていますが、はっきりとはわかっていません。また、発達障害があると強迫症状を強めることもあります。
躁うつ病ともいわれる病気で、「躁」と「うつ」がくり返されます。躁のときには不注意で気が散りやすい、落ち着きがない、よく考えずに行動するなど、ADHDに似た様子があらわれます。双極性障害とADHDとの大きな違いは、周期性があるかどうかです。あるときはやたらと元気なのに別のときには深く沈んでいるというように、躁とうつが交互にくり返される場合はこの病気が疑われます。
ほかにも ●不安症 ●境界性人格障害 ●統合失調症などがあります。
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