日本株、ドル安原油高なら最悪のシナリオに 日経平均は節目の1万8500円を回復できず
今後の金融市場動向を見極める上で重要なポイントは、やはり為替と原油相場である。
為替については、やはり16〜17日に開かれるFOMCでの政策決定が大きな材料となろう。現在の市場環境を考慮すれば、FRB(米連邦準備制度理事会)といえども、自国景気の堅調さと金融政策の正常化だけを理由に、利上げを決定するといった身勝手な行動は許されない。
結果的に、イエレンFRB議長は今後の政策運営において、さらに厳しい立場に追い込まれることになるが、これは早めに利上げをしなかったことに対するペナルティでもある。
今後、ドルは上昇する理由を失い、徐々に水準を切り下げる可能性がある。
これを市場がどのように捉えるかだが、ネガティブ材料と判断すれば一時的に株価が下押す可能性がある。しかし、米国企業はドル高により収益を削られてきた面がある。ドル安は中期的には収益改善の要因となるだけに、将来の株価反転の材料となりそうだ。
ドル安・原油高リスクに警戒が必要
一方で、目先の円高は、日本の輸出企業の業績にはネガティブ材料である。一部企業はすでに為替予約により、円高リスクを軽減しているもようだが、円高局面が想定以上に長引いた場合にはその限りではない。
またドル安により原油相場は息を吹き返すかもしれない。原油先物価格は、先週末には売り方が買戻しを強いられ、短期間で急伸している。今の原油市場にはショート筋しか残っておらず、材料次第ではさらに買戻しがあぶりだされる可能性がある。
しかし、この原油上昇はポジティブ要因を背景としていないため、株価押し上げにはつながらず、結果的にネガティブ要因として捉えられ、株価の下押しを誘発するかもしれない。
これは、まさにこれまでの相場と逆の動きである。市場はいま大きな転換点を迎えているように感じる。株安・ドル安(円高)・債券安(金利上昇)・原油高のリスクに一段の注意が必要な局面にあるのではないだろうか。
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