まず、FED(アメリカ中央銀行)が金融政策決定会合(FOMC=公開市場委員会)を17~18日に開催、18日にはジェローム・パウエルFRB(連邦公開市場委員会)議長が記者会見した。19日は英国の中央銀行であるイングランド銀行が政策表明。そして、日本銀行が19~20日に政策決定会合を開き、20日に植田和男総裁の記者会見が行われた。
この原稿の9割は日本銀行の決定も記者会見も終わっていない19日に書いたのだが、はっきり言って20日15時半からの植田総裁の記者会見の感想を書けと言われれば、すぐに書けてしまいそうなほど、事前に予想できる。
パウエル議長の記者会見はなぜ充実しているのか?
一方、パウエル議長の記者会見は、いつも充実している。彼の質疑応答での言葉や雰囲気、すべてが何かを伝えてくる。私が、パウエル記者会見ウォッチャーなのは、「なぜ日本はアメリカとこんなにも違うのだろうか」(6月15日配信)でも書いたように、本連載ですでにバレバレだ。
だが、私が早朝にもかかわらず、熱心に毎回見ているのは、しかも、真面目の前に2文字がつくほど真面目なパウエル議長の会見でも、寝ないでいられるのはなぜだろうか? 彼の話は、トランプ氏の議論(口論?)と違って、面白くはない。いったいなぜなのか?
それは、パウエル議長も、質問する記者たちも、本気(マジ)だからである。「マジ?って、オバタ、お前マジ?そりゃあ、中央銀行の記者会見が真面目でないはずはないだろう?」というツッコミが飛んで来そうだ。では、相撲用語で、ガチンコと言ったほうがいいか。パウエル議長も真剣勝負であるのはもちろん、建前論に終始するのではあるが、その建前が「マジ」なのである。だから、記者との対峙もガチンコであり、一問一答における一言一句に価値があり、魂はこもっていないが、情報は詰まっているのである。
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