ドイツが転向を迫られた「移民難民問題」の深刻 テロ続発で高まる懸念、右派躍進に募る危機感

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一連の事件によって、世論の政府の移民・難民政策への風当たりは強くなっており、連立与党で緑の党、SPD(社会民主党)の政治家も、アフガンやシリアへの送還促進に賛成するようになった。

緑の党のロベルト・ハーベック副首相兼経済・気候相は「殺人者、テロリスト、イスラム原理主義者に寛容はない。これらの者は庇護の権利を失う」と強硬な姿勢に転じた。

外国人の人権についてとりわけ敏感なドイツだが、左派政治家も強硬策を表明せざるを得なくなったところに、問題の深刻さがうかがえる。

東独2州で右派政党が躍進

テロに対する不安感や、出入国管理政策への批判が高まる中、2024年9月1日、旧東ドイツのテューリンゲン、ザクセン2州の州議会選挙が行われた。どちらの選挙でも、右派ポピュリズム政党「ドイツのための選択肢」(AfD)が躍進した。

AfDは、流入者の強力な削減、国境に物理的障壁を設置、難民の家族呼び寄せ拒否、送還促進など、出入国管理の厳格化を掲げてきた。AfDは、テューリンゲン州では32.8%(前回2019年の得票率から9.4ポイント増)の得票率で第1党、ザクセン州でも30.6%(同3.1ポイント増)で第2党となった。

テューリンゲン州の有権者を対象とした、ARDが報じた世論調査では、「何に懸念を抱くか」という質問に対して、「犯罪が将来大きく増える」が前回調査に比較して17ポイント増の81%、「ウクライナ戦争に引き込まれる」77%、「イスラムの影響力がドイツで強くなりすぎる」が21ポイント増の75%、「多すぎる外国人がドイツにやってくる」68%となっている。

ウクライナ戦争は影を落としているものの、経済や気候変動問題よりも、移民・難民問題が有権者の懸念の上位を占めている。

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