ダンロップ「夏冬兼用タイヤ」で市場激変の可能性 本当に夏冬1本でOKなオールシーズンタイヤ

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オールシーズンタイヤの人気が高い北米の寒冷地域では、マイナス10℃やマイナス20℃もめずらしくない。ここまで気温が低いと雪が解けないため、路面がツルツルのアイスバーンにならないのだ。

そのため日本と違って、オールシーズンタイヤが使いやすい。地域によっては、オールシーズンタイヤが新車装着となっているほどだ。

そんな背景の中で、シンクロウェザーは、オールシーズンタイヤでありながら夏・冬それぞれの性能を格段に高めてきた。特にスタッドレスタイヤに匹敵する冬場の性能を持つことは、注目に値する。

真冬の北海道でテストしたときの筆者。このテスト車両はメルセデス・ベンツ(写真:住友ゴム)
真冬の北海道でテストしたときの筆者。このテスト車両はメルセデス・ベンツ(写真:住友ゴム)

1年を通じてオールシーズンタイヤで済まそうというユーザーも、増えることだろう。サイズのラインナップも15~19インチと幅広いから、多くの車種で装着できる。

ブリヂストンは国内にオールシーズンタイヤなし

価格的にはダンロップ・ブランド内でも、もっとも高額な商品となる。しかし、スタッドレスタイヤとホイールを購入する費用、オフシーズンに保管しておく場所(場合によっては費用がかかる)、そして交換する手間を考えれば、コスパは悪くない。シンクロウェザーが、ヒット商品となるポテンシャルはある。

ウェット路面もテストしたが、オールシーズンタイヤのネガを感じることはなかった(写真:住友ゴム)
ウェット路面もテストしたが、オールシーズンタイヤのネガを感じることはなかった(写真:住友ゴム)

そこで気になるのが、ダンロップ最大のライバルであり、市場の王者であるブリヂストンの動きだ。ブリヂストンは、国内シェアの半数以上を抑える圧倒的強者である。

特にスタッドレスタイヤの「ブリザック(BLIZZAK)」は、市場から高い評価を得ているため、これまでブリヂストンは、国内向けにオールシーズンタイヤを導入していなかった。

しかし、国内市場でオールシーズンタイヤの販売が伸びるようになれば、路線変更もありうるだろう。「次世代オールシーズンタイヤ」を自称するシンクロウェザーが、国内タイヤ市場のゲームチェンジャーになる可能性は十分にある。この冬のタイヤ市場の動きには、要注目だ。

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鈴木 ケンイチ モータージャーナリスト 

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すずき けんいち / Kenichi Suzuki

1966年生まれ。茨城県出身。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。レース経験あり。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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