堀江貴文「だから団塊ジュニアは出世ができない」 未来予測は不可能だが、たった1つわかること
――ビジネス書にも必ずと言っていいほど数式がありますもんね。そんな西成先生は「渋滞学」を研究しているとのことですが、これはどういう学問なんでしょうか。
西成: 車の渋滞はもちろんなんですけど、物の渋滞、人の混雑、それから体の調子が悪いのは、どこかに渋滞が起こっているからです。そんなあらゆる渋滞をひとくくりにして研究しようというのが渋滞学です。
車間距離40m以下になる「渋滞」
――では早速ですが、高速道路の自然渋滞はなぜ数式で表せるんでしょうか。
西成:まず、渋滞の定義って知っていますか。「今日は混んでいたな」とか「今日は空いていたな」って言いますけど、どれくらい車がいると渋滞というのでしょうか。
例えば、車が通行している写真を見せて「これ渋滞ですか」「渋滞じゃないですか」って、誰が判断できるのでしょうか。だから、まず、そこを決めるところから始めないといけません。
堀江貴文:渋滞の定義を決める必要があるということですね。
西成:そうです。それにはデータが必要です。まず「1㎞の間に車が何台走っているか」というデータ。これを「交通密度」と言います。そして、もう1つが、どれだけ車が通過するかという「通過量」。通過量が多ければ、別に「渋滞」ということにはなりません。結論から言うと、25台くらいまで通過量は伸びます。
堀江:1㎞あたり25台くらいで流量がピークに達すると。
西成: そうです。25台以上になると流量がガタ落ちする。だから、1㎞あたり25台になると渋滞が始まるんです。すると、渋滞を解消するためには1㎞あたり25台以下にすればいいということがわかります。
1㎞は1000mですから、車間距離を計算すると1000m÷25台で40mとなる。運転していて車間距離を40mで走らざるを得なくなったら、その時から渋滞と言えばいいんです。
堀江:なるほど。わかりやすい。でも、40mの車間距離って意外と長いですよね。
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