NPOも頑張る!「パラレルキャリア」のススメ 報酬目的ではない仕事が未来を拓く

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日産自動車での仕事も大好きだったのでかなり悩みましたが、この時もパラレルキャリアを通じて知り合った仲間たちが背中を押してくれました。現在は前職の経験を生かして、SNSやWebを使ってTFTの活動を広めたり、マーケティング施策の企画立案を手掛けたりしています。社会にとって価値あるサービスを提供できているという手応えをダイレクトに感じられる毎日。このキャリアを選択して本当によかったと実感しています。

“やりたいこと”を諦めないために

以前は“二足目のわらじ”だったTFTが今は本業になったわけですが、パラレルキャリアは現在も継続中。働く夫婦を応援する「CAREER PALETTE」という団体を育休中に設立し、代表理事を務めています。

自分が出産を経験したことで、女性が仕事も育児も楽しみながら活躍するには、パートナーの男性との協力体制を築くことが不可欠だと実感。夫婦が一緒にライフキャリアや将来のビジョンを考えるためのプログラムを実施しています。

とはいえ、今は育休から仕事に復帰して間もないので、あくまでもTFTと育児の両立が最優先。「CAREER PALETTE」は、無理せず息の長い活動にできればと思っています。本業に加えてほかの活動もすることは、時間も体力もかなり使うもの。だからこそ、人生のステージに合わせて、“今何をやるのか”、その時々の強弱をつけることが大切だと思います。

私もパラレルキャリアを始めた頃は、あれもこれもやろうとかなり無茶をして、朝から晩まで分刻みでスケジュールを詰め込んだ時期もありました。でも、こんな生活は長続きしません。そこで、以前から続けてきた町おこしなどの活動は「今は比重を落とそう」と決めました。本業の仕事とTFTの活動に絞ってからは、毎日の生活をうまく回せるようになりました。

一方で、“やりたいこと”があるなら、まずはやってみたらいいと思います。一度やってみて、自分には向いていないと感じたらまた方向転換すればいいし、時間や体力的に難しいと思ったら、比重を落としてみてもいい。“やりたいこと”をやってみると、そこで学ぶもの、得られるものが必ずあります。町おこしの活動も、今は一旦区切りをつけていますが、すばらしい仲間に出会えましたし、この先また、一緒に何かできることがあるかもしれないと思っています。長い人生、どうなっていきたいかを考えて、ライフステージに合わせて、やりたいことを選んでいけば良いのだと思います。

私の場合も、やりたいことを我慢せずにやっていたら、いつの間にか今のキャリアに繋がっていただけ。自分が心から意義を感じられる仕事に出会い、充実した毎日が送れていることを、今はとても幸せに感じています。

取材・文/塚田有香 撮影/洞澤 佐智子(CROSSOVER)

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『Woman type』編集部

「Woman type」は、キャリアデザインセンターが運営する情報サイト。「キャリア」と「食」をテーマに、働く女性の“これから”をもっと楽しくするための毎日のちょっとしたチャレンジをプロデュースしている。

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