よって、会社が提供してくれた職場や職場の人間関係について「与えられた環境で頑張る」のが当たり前。この原則は変わらないことでしょう。職業選択の自由はありますが、入社した会社で職場選択の自由はないのです。
ただ、人間関係には相性があります。「許せない同僚」「耐えられない上司」と遭遇する可能性はゼロではありません。そんな、運悪く我慢できない職場に置かれたらどうしますか?
(1)いつかお互いが異動するまで我慢(これが一般的)
(2)耐えられなくて人事部や経営に直訴(心証を悪くする可能性もあり)
これに加えてある選択の1つが「転職」。ここでケースを1つ紹介しましょう。食品メーカーに勤務していたときに無理難題を突きつける上司と、それに対して何も疑問を感じない同僚たちに耐えきれず転職を決意したSさん。このSさんが転職して、新たな職場環境で遭遇した苦悩について紹介します。
転職で職場を変えてみたが…
前職の上司による「気まぐれなマネジメント」に耐えられずにSさんは食品商社に転職。「心機一転、頑張るぞ」と気合を入れて新たな職場に向かいました。
そこで、最初に待っていたのは人事部による交通費の手続きなど業務に関する説明。その後に「では、配属先にご案内します」と本社の4階に案内されました。どうやら、配属先に連れていかれるようです。ここまでに経過した時間はわずか2時間。
初めての転職だったSさんは「導入研修とかないの?」と、配属までの時間が短いことに少々戸惑いを覚えました。前職も食品関係のメーカーでしたが、新卒で入社したときには導入研修が1カ月。さらに会社を理解するために3カ月間でさまざまな部門を転々として《この会社の雰囲気》を体感する機会を得ることができました。
「やはり、中途入社組は即戦力だから育成には手間をかけられないのだな」
と当たり前のことを痛感させられる機会になったようです。
そうして配属された営業企画部に到着すると、「本日から配属されるSさんです」と人事部から紹介されて簡単に自己紹介をすることに。
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