東大模試の判定はB~Cでしたが、『自分ならいける』と自信を持って勉強し続け、センター試験の本番でも91%と、東大受験生の中でも上位のパーセンテージを取ることができました。
「ずっと学年トップで、運がいいタイプだから、きっと自分は東大に受かるだろうと思っていました」
そう自信を持って東大の理1に出願し、受験に挑んだものの、結果は残念ながら合格者最低点より20点低く、不合格に終わりました。
一度東大を諦め、後期試験で合格した横浜国立大学の理工学部に進学することにした山﨑さん。彼は自身が落ちた理由を「勉強のやり方がよくなかった」と振り返ります。
「赤本を解いてはいたのですが、答えをチラッと見ただけで、間違えた理由についてしっかり分析できていませんでした。また、数学が苦手だとわかっていたのに楽観的に構えて、対策しきれていませんでした。本番の数学の試験であまり点数が取れなかったのも、数3の演習量が不足していたからだと思います」
横国に進学後も、東大に対する未練が残る
横浜国立大学に合格した山﨑さんはそのまま1年、大学に通うことにしました。
暇つぶしでセンター試験の問題を解いていたように、東大に対して少し未練もあったそうですが、「もう一度受けよう」と思うほどでもなく、1年生終了の時点ではそのまま卒業しようと考えていたそうです。
しかし、大学生活2年目に突入した山﨑さんは、東大を目指して仮面浪人することを決意します。
そのきっかけは、「理系の勉強に違和感を覚えたこと」と、「東大に行った先輩に再会したこと」の2つでした。
「大学の同期は明確な目的意識を持って理系学部に来ているのに、私は実験やプログラミングの授業についていけず、理系分野では同期に全然敵わないと思ったんです。そう考えていた6月ごろに、偶然母校の文化祭で東大に進学した先輩に再会しました。先輩から『東大生は面白いよ』と聞いて、また興味が湧き、東大の文系学部に行きたくなりました」
大学1年生のときは自覚していなかった心のしこりが表面化した2年生の夏。1年生の冬にセンター試験を解いたことも、「やっぱり(こうして試験を解くのは)落ちたことが悔しかったんだと思う」と振り返ります。
「母親に浪人をしたいと言ったところ、『やらないで後悔するくらいなら、やってみれば』と許してもらえました。もう一度チャレンジしてみて、それでダメなら諦めもつくと思ってくれていたようです。その代わり、『チャンスは1回だけ』『今の学校は休学せずに通う』という2つの条件がありました」
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