ある一定量を定期的に食べることが大事だ--『腸!いい話』を書いた伊藤 裕氏(慶応義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科教授)に聞く

ある一定量を定期的に食べることが大事だ--『腸!いい話』を書いた伊藤 裕氏(慶応義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科教授)に聞く

人間の腸は、消化器官の一翼以上の大事な役割を担い、体の調子を決めていることがわかってきたという。この大切な腸をどうすれば鍛えられるのか。

──臓器でいちばん早く老いるのは腸なのですか。

腸と腎臓が最も早く老いると考えられる。これは、腸と腎臓が最も血液を使うぜいたくな臓器であることに関係している。まさに人は血管とともに老いる。それだけ、豊富な血管で養われている臓器が老いやすい。人は食べることと、排泄することを休むことはできないから、その機能にかかわる臓器が最も老いやすくなる。

──「腸能力」は、現代病といわれる糖尿病に効くそうですね。

本当によく効く。治療維新といわれるほどの状況が糖尿病治療で起きている。それは意外にも「腸の働き」の増強によるものだ。腸は食物が入ってきたことや吸収されることを即座に感じ取り、インクレチンを分泌して、ほかのいろいろな臓器に指令を出す。

──インクレチン?

インクレチンは腸のK細胞やL細胞などから分泌されるホルモン。膵臓に対し、血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌を促し、逆に血糖を上げるグルカゴンの分泌を減らさせる。インクレチンは、単に分泌の調整をさせるだけでなく、脳に作用して、これ以上食べるな、胃に対しては小腸に食べ物を送り込むのはいったんやめてほしい、と命じたりする。この効能を活用して、インクレチンの類似物質が、気持ちよく血糖コントロールの介助をする優れた薬剤として誕生した。

──それを含めて、腸は大事とあります。

消化管は胃の次に十二指腸があり、続いて空腸、回腸という小腸につながり、人間ではほとんど退化している盲腸、さらに結腸や直腸で構成される大腸へと連なる。小腸は消化のメイン会場だ。小腸の粘膜面には多数のひだがあって、その表面には1ミリメートル足らずの絨毛(じゅうもう)が密集している。小腸を広げるとほぼ200平方メートルになる。テニスコート1面分に相当するほどだ。

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