三菱商事のチリ巨額投資が思わぬ波紋、銅資源権益をめぐって法廷闘争へ

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 しかし、半数近い株式を取得するはずだったコデルコは激怒し、アングロによる一部株式売却を「当社が有する権利を侵害する行為」として厳しく批判。同社は11月14日、スール社株の追加売却を禁じる保全措置を裁判所に申し立て、その翌日に裁判所はアングロに対して株式追加売却の差し止め命令を出した。

これを受け、アングロは三菱商事への株式売却の正当性をつづった反論書を裁判所に提出し、両社が裁判所を舞台に激しいバトルを繰り広げている。

そもそも、コデルコが権利行使によって取得可能な最大株式数は、権利行使時点でアングロが保有しているスール社株のうち、アングロが将来も保有し続ける過半の51%分を差し引いた株式数。つまり、最大49%というのは、アングロがスール社株を100%保有していた場合を指す。アングロが第三者に株式を売却すること自体は禁じられていなかった。

三菱商事の株取得取り消し求め、コデルコが訴訟へ

三菱商事が24.5%の株式を取得した結果、アングロの手元に残ったスール社株式は全発行済み株式の75.5%分。アングロの見解では、コデルコが取得できる株数はそこから51%分を引いた「24.5%分」でしかない。一方、コデルコ側はあくまで49%分の株式取得権利があると主張し、両社の見解は平行線をたどっっている。

コデルコの怒りの矛先は、株式を売ったアングロのみならず、買った三菱商事にも向けられている。コデルコは11月30日、アングロと三菱商事が交わした株式譲渡契約書類などの開示を求める手続きを裁判所に申請し、三菱商事の株式取得取り消しを求める訴訟の準備段階に入ったことを明らかにした。

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