前回は選挙後に米国株上昇。伯仲する選挙戦で関連銘柄の相場織り込みは進まず。
4年に1度の恒例行事ながら毎回、株式相場に大きな影響を与えてきたのが米国大統領選挙だ。ここを境に様子見だった相場が上昇の勢いを取り戻すことが多かった。前回の2020年は、大統領選直後から10週間でS&P500株価指数は17%上昇(1年後は41%上昇)。直前の10週間が約4%下落だったのと対照的だ。
コロナショックからの回復期とはいえ、これが大統領選前後の基本パターンだ。①新大統領の誕生で政策変化の可能性が芽生える②再選でも政策の方向性が明確化する③投資家心理が安定化し期待を織り込む動きとなる、からだ。とくに政権交代があると市場へのインパクトは大きいようである。
では今回はどうか。ドナルド・トランプ氏狙撃事件や、ジョー・バイデン大統領の不出馬表明と希有な出来事が続き、異例の展開となっている。狙撃事件の直後にはトランプ氏が一時「神格化」された時期もあったが、バイデン氏から後継指名されたカマラ・ハリス副大統領が人気を集め、最近の予測ではハリス候補が48.3%、トランプ候補46.6%の可能性(リアル・クリア・ポリティクスによる当選予想確率。8月27日時点)と僅差ながらハリス氏が優勢。あと2カ月、どちらにも可能性がある戦況といっていい。
日本株の本命を探る
ということは、両候補者の政策に関連する銘柄群、いわば「もしトラ」「もしハリ」銘柄ともに、相場的にはまだ勝利を織り込んでいないということでもある。そのどちらかが11月5日の投票日以降の結果判明後に一気に走り出すだろう。そこで、日本株の中からも現れるであろう「もしトラ」「もしハリ」銘柄を探ってみたい。
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