コンビニから宇宙まで、KDDIとOpenAIが描く先 ローソン改革とStarlink連携で社会課題に挑む

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高橋社長は、この構想について「高齢化社会、地方の課題の中でソーシャルにインパクトを起こすことができるのではと思っている」と述べた。

その象徴的な計画として、ローソン店舗全国1000箇所にドローンを配置することを挙げた。「事件があったときに10分以内にドローンで駆けつけることができる」と説明する。ドローンの配備が進んでいるニューヨーク市警の例を引き合いに出しながら、その実現可能性を示唆した。

ローソンにスマートドローンを配備する計画。治安維持などで役立てるという
ローソンにスマートドローンを配備する計画。治安維持などで役立てるという(筆者撮影)
KDDIのスマートドローン
遠隔操縦で発着できるKDDIのスマートドローン。KDDIの通信センターの警備業務で試験運用を行っている(筆者撮影)

リテールテックに取り組む意義

高橋社長は、ローソンとの提携について投資家からの理解を得ることに苦心したことを明かした。「小売りは利益率が高くない。なぜそんなところに投資するのかと言われて大変だった」と語り、出資後の半年間は投資家からの批判に直面したことを説明した。

しかし、高橋社長はこの取り組みの意義を強調した。「先月、ハイパースケーラー(クラウドサービスを大規模に展開する巨大IT企業)を訪ね歩いたんですが、特に北米では、リテールテックがものすごい勢いで進んでいます。彼らが最も重視していたのは、ソーシャルインパクトがあるという点でした」と述べ、アメリカの企業では収益性だけでなく、社会にどれだけインパクトをもたらせるかが重要な判断基準になっていることを指摘した。

ローソン以外については、高橋社長は通信事業の未来像について、5Gの重要性を強調しつつ、2024年内にStarlink衛星とスマートフォンの直接通信サービスを開始することを紹介した。

2024年内にスマホとStarlink衛星の直接通信サービスを提供開始する
2024年内にスマホとStarlink衛星の直接通信サービスを提供開始する(筆者撮影)

生成AI分野での取り組みとしては、業界特化型AIプラットフォーム「WAKONX(ワコンクロス)」の開発を紹介。日本らしいバリューの創出を目指すとし、AIベンチャーELYZAとの協業による日本語モデルの最適化や、三井物産との合弁会社アルティウスリンクを通じたコンタクトセンターでのAI活用など、具体的な施策を説明。これらのAIサービスを支える基盤として、シャープ堺工場跡地や多摩、小山でのデータセンター建設計画も明らかにした。

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