零細企業が駐車場事業で大手参入を退けた理由 資本金5万円で創業のakippaは楽天にどう対抗したか
かつて私たちは光通信系の会社を経由してインターネット回線の営業代理店をやっていて、ソフトバンクの携帯電話をたくさん売っていました。
「ソフトバンクの携帯電話を売っていたら、一生ソフトバンクを超えられない」
そう思い、自社サービスを始めたという経緯があります。そのソフトバンクが、私たちがつくっている市場に入ってきた……。私はすごく興奮して、当時「note」に「ソフトバンクがライバルになった日」というタイトルで文章を書いています。
大手企業にも負けない強さの理由
このころは大手テックカンパニーが参入するたびにNewsPicksなどで「アキッパは終わったな」といったニュアンスのコメントを書かれていました。
社内の雰囲気は絶望的でした。と言いたいところですが、「人生賭けてる俺たちが負けるわけがない」とアドレナリン全開の雰囲気でした。
ただ、気持ちだけではダメです。私たちは大手テックカンパニーの参入に対し、着々と対抗策を打っていきました。
2019年までに合計で35億円の資金調達をしたこともそうですし、採用をさらに強化したこともそうです。このときまでに、全チームのマネージャーが入れ替わりました。マーケティングチームも、プロダクトチームも、広報チームも、駐車場開拓チームも、マネージャーは新たな転職者に替わりました。
もともといた社員は、いままで営業に邁進してくれていた人たちです。アキッパという未知の事業モデルで、しかも専門領域ではない仕事を任されていたので、不安を抱えていたのでしょう。普通は、新しく入ってきた人がいきなりマネージャーとして着任して彼らにマネジメントされるのは面白くないはずです。
ところが、古くから在籍している社員には、彼らのバックグラウンドに敬意を払って、温かく迎え入れるマインドがありました。これは本当にすごいことだと思います。
もっとも、私は昔から折に触れ、「会社が成長していったら、私たちは能力が追いつかなくなる。そのときまでにスキルを成長させるか、もしくは自分より優秀な人を受け入れるマインドを養っておかないといけない」と、そんな話をしていました。
そのような風土が組織に根づいていたのかもしれません。みんな新しく入ってきた人をリスペクトして、彼らの活躍、そしてakippa社の文化を支える存在になってくれました。
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