韓国の激安ビールが市場を席巻、苦悩深い国内ブランド

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酒税改正に論点のズレ

こうした中、国内メーカーを守ろうと民主党内では酒税見直し議論が進む。現在、ビール類は麦芽比率によって酒税が課されており、比率の低い第3のビールは酒税も安い。そこで、この酒税を引き上げ、韓国勢からも徴収する案が浮上。が、韓国産が安いのは円高や関税がないことが理由で、酒税はすでに課されているため、「本音は単に増税したいだけ」と国内メーカーは猛反発している。

税制調査会は12年度については酒税を重点課題にしない方針。が、ビール類は酒税に消費税が課される「二重課税」も抱えており、「消費税増税があれば酒税改正の議論は避けられない」(酒税に詳しい元財務省財務総合政策研究所長の森信茂樹氏)。国内メーカーを襲う逆風は当面収まりそうにない。


■写真:中堅スーパー「トライアル」では韓国産のほか、台湾産の79円ビールを販売。国内メーカー品と比べ30円近く安い(写真は千葉・八千代店)

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(張 子溪 撮影:風間仁一郎 =週刊東洋経済2011年12月3日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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