「新鮮味ない」立憲代表選、自民"お祭り騒ぎ"に埋没 政権交代にらみ「昔の名前」ばかりが前面に

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都知事選では、小池陣営などから“立憲共産党”と攻撃された「共産党との全面共闘」が最大の敗因とされたため、それを主導した泉代表の責任論も拡大。さらに、お盆の最中の8月14日に、岸田首相が突然、総裁選不出馬による退陣を表明したことで「岸田政権という自民攻撃の最大のターゲット」(幹部)も失い、自民総裁選との同時実施で埋没する事態となったのだ。立憲と泉代表にとって「過去半年はまさにジェットコースターに乗っているような状況」(同)だったことになる。

最有力・枝野氏の「古い政治に終止符」に反発も

そこで問題となるのが、野党第1党としての代表選への取り組み姿勢だ。先頭を切って出馬表明した枝野前代表は、出馬会見で「古い政治に終止符を打ち、新しい時代へ向かって進む時だ」と前置きし「この国のあるべき姿や党が進むべき道を、自信を持って掲げていくことが私の役割。逃げることなく時代の転換の先頭に立つのがわたしの使命だ」と出馬の理由を語った。

これには党内からも「枝野氏のような昔の名前がしゃしゃり出てはダメ。そもそも、3年前の衆議選敗北の責任をとって代表を辞任した人物が、『古い政治に終止符を打ち、時代の先頭に立つ』と言うこと自体がナンセンス」(若手幹部)との批判が相次ぐ。さらに、枝野氏の他に現代表の泉氏、総理経験者の野田佳彦氏、元代表代行の江田憲司氏、元国交相の馬淵澄夫氏が出馬を検討している状況だが、「いずれも『昔の名前』に属する人たちばかりで、国民が期待する刷新感はみじんもない」(同)のが実態だ。 

そうした中、26日になって突然、当選1回の吉田晴美衆議院議員が出馬への意欲を表明した。今回代表選で女性議員が手を挙げるのは初めてで、党内にも大きな波紋を広げた。吉田氏は2021年衆院選東京8区で出馬、自民党の石原伸晃元幹事長を破って初当選して注目された人物。代表選出馬を目指すにあたり「永田町に染まっていない私達1期生の視点から、そして生活に密着した私達女性の視点での代表選の論戦、これを喚起していきたい」と胸を張った。

そこで問題となるのが、代表選の仕組み。自民党と同じ推薦議員20人を出馬の条件としている点だ。立憲民主の衆参議員は133人で自民党の36%強。仮に全員が誰かの推薦人になっても、立候補できるのは最大6人で、泉代表すら推薦人が確保できるか微妙というのが実態だ。

しかも依然として一定の影響力をもつ小沢一郎氏が率いる「一清会」(約15人)は「候補者が出揃った段階で誰を支持するか決める」(小沢氏)としているため、「実際には出馬できるのは5人以下」(党幹部)とみられている。だからこそ、吉田氏らは推薦人20人について「ハードルが高すぎる」と注文をつけるが、執行部は「次回から検討する」という煮え切らない対応だ。

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