895円安の日経平均、今後のポイントは何か 世界同時株安はいつになったら止まる?
だが、こうした「今の株価は割安だ」との見方は、予想されている収益を計上できることが前提である。さらに言えば、現在の経済環境が維持されていることが前提だ。
企業収益が低下すれば、株価は割安とはいえない
したがって、一時的にPERが低下して割安になったように見えても、今回の株安の元凶とされる中国経済が想定以上に悪化し、企業収益が圧迫されれば、結局は企業収益見通し自体が引き下げられ、株価の割安感を説明できなくなる。2万円割れの水準では押し目買いとみていた証券業界でも、これほどの下げとなったことで、弱気な声が多く聞かれる。
24日の大幅下落で「セリング・クライマックス(売りのピーク)を迎えた」との希望的な発言も聞かれる。だが、特に下落局面ではこのような見方には注意が必要だ。「今回の下落は、過去の大幅下落局面と異なる」という見方には、確固たる根拠がないからだ。ここは市場動向を冷静に見極めるべきであろう。
では今後はどうなるだろうか。筆者は24日の朝方から株式市場に張り付いて株価動向をみていたが、7時に取引が再開された米国の株価指数先物市場では、あっという間に下落幅が拡大、急落した。ダウ平均株価の先物価格は短時間で1万6000ドルの大台を試す下げとなり、400ドルを超える下落幅となった。
今は売り圧力が強い状況にあり、この下落基調は簡単に収まりそうにない、といった印象を強くした。またこれまで株価の下落にきっかけのひとつと目されていた原油先物価格も、WTI原油が1バレル40ドルの節目を割り込んでいる。
原油価格の下落はインフレ期待の押し下げにつながり、利上げを目指す米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長にとっては、強い逆風となる。現状の市場環境では米金融当局は利上げを見送らざるを得ないのではないか。
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