日経平均、現実味を増す「1万8000円割れ」 世界同時株安は「割高修正への一歩」に過ぎず

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以上、1)~3)のような、着実に進む世界の大きな流れを素直に眺めれば、8月11日(火)ザラ場まで日経平均株価が上昇したことは、根拠を欠いていたとしか考えられない。先週の株価下落は、国内株価正常化への、とりあえずの一歩であると位置づけられる。

述べてきたように、中国の株価が上がろうと下がろうと、中国政府が経済対策を出そうと出すまいと、中国経済は悪化していく。米国株についても、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを9月に行なおうと行なうまいと、高すぎるPERの調整が株価下落という形で続き、米ドルも押し下がるだろう。

さらに不安材料を挙げれば、国際商品市況の下落によって商品ファンドの破たん懸念が指摘されている。たとえそこまでいかなくても、商品・株式双方同時に運用する資金が、商品先物の損失拡大で株価指数先物も投げ売ってくる展開も十分考えられる。

一方、足元では急速に米ジャンク債(低格付け債)の価格も下落している。そのためジャンク債平均と米国国債の利回り格差は、2012年11月以来の水準に拡大している。となると、債券運用ファンドの苦境も気になるし、ジャンク債の償還期限が来た発行企業が、借り換えに失敗し資金繰りに行き詰まるリスクにも要注意だ。これに、天津における大爆発の中国経済・政治への悪影響や、緊張する朝鮮半島情勢なども悪材料として上乗せされている。

いったんリバウンドがあっても、下落が続く可能性

今後の日本株は、短期的に多少のリバウンドは交えるかもしれない。だが残念ながら、基調としては下落が続くだろう。下値は、自信はないが、以前当コラムで述べた、1万8000円割れの可能性を引き続き見込む。一方、底入れの時期は、急速な株価調整が進めば、意外と早く、9月半ばには見えてくるのではないだろうか。

投資スタンスとしては、「頭としっぽは犬にくれてやれ」の格言を守り、欲張ったポジションを張らないことをお勧めする。当面は様子見姿勢で良いと思うし、株価が大きく下振れすれば、そこからさらに続落しても構わない程度の資金で、少しずつ買い溜めていく方針がよいだろう。

筆者の見通しが不幸にして的中し、日経平均が1万8000円を割れると、「世界経済は地獄に落ちる、日経平均は1万5000円もあるかもしれない」と騒ぐ専門家が、わらわらと現れるだろう。そうした専門家にだまされて、最安値で思い切り株を売ることだけはしないでいただきたい。

そうした流れのなかで、今週(8/24(月)~8/28(金))の日経平均の予想レンジ(週内のザラ場最安値~ザラ場最高値)は、1万8500~1万9300円とする。かなり幅が広いが、大きな値ブレが起こることは、否定できない。先週の値幅も1233円だったのだから。

 

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