活動休止・目黒蓮「月9の重責」が示す俳優業の未来 指針となるのは、旧ジャニーズの"演技派先輩"

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しかも同作を手がける生方美久さんの脚本は『silent』『いちばんすきな花』がそうだったように良い意味で超スローペース。飽きられないためにハイテンポで物語を動かしていくドラマが多くを占める中、生方さんの脚本はたっぷり時間をかけて心の機微を丁寧に描き、感情がグラデーションのように少しずつ変わっていく様子を描いています。

実際ここまで8話が放送されましたが、主な流れを見ていくと、第1話で夏と海の出会いが描かれ、第2話で夏が弥生に海の存在と経緯を告白。第3話は海が夏に母を失った悲しさを初めて吐露することができ、第4話は弥生が夏に中絶の過去を告げました。

第5話では夏の家族に海の存在を伝え、第6話では夏が水季の周辺人物に会いに行ったほか、彼女と弥生の知られざる縁が発覚。第7話は水季に対する同僚・津野晴明(池松壮亮)の切ない思いが明かされ、第8話は夏と実父が対面する様子が描かれました。

他のドラマならおそらく3~4話程度の内容を8話かけて丁寧に描き、それでいて人間模様はむしろ濃いため、演じる主演俳優の負担は倍以上と言っていいでしょう。しかも目黒さんが対峙する俳優たちは業界屈指の演技派ぞろい。

大竹しのぶさんと利重剛さん、西田尚美さんと林泰文さんのベテラン勢に加え、池松壮亮さん、古川琴音さんなどの中堅・若手も含め、演技力に長けた俳優に囲まれる図式になっています。相手役の有村架純さんも朝ドラを筆頭に主演の常連であり、年齢も実績も上。さらに「子役の泉谷星奈ちゃんを引っ張っていかなければいけない」という役割もあります。

「難しい役柄や座長として現場を引っ張る責任」に加えて、「ベテラン俳優らの圧倒的な芝居や子役のみずみずしい演技を受け止めなければいけない」のですから、心身ともに相当なプレッシャーがあるのではないでしょうか。

有村架純
現在の恋人・弥生を演じる有村架純(画像:『海のはじまり』公式サイトより)

「配信トップは獲れる」という期待

目黒さんは20歳のときに、叶うわけがないけど憧れのことを書く“夢ノート”に「月9の主演をしたい」とつづっていたり、月9ドラマは「事務所の先輩方などが主演を務めた特別な場所」という印象などを語ったりしていました。これは『海のはじまり』への意気込みそのものであり、これまで以上の思いを感じさせられます。

一方、村瀬健プロデューサーは「『silent』で仕事をして以降、2人でたくさんの話をしてきた」「芝居に対する真剣な思い、作品に対する誠実な思いを感じた」ことなどを明かしていました。

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