活動休止・目黒蓮「月9の重責」が示す俳優業の未来 指針となるのは、旧ジャニーズの"演技派先輩"

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もちろんその思いや姿勢は今作でも不変であり、村瀬プロデューサー、風間太樹チーフ監督ら演出陣などとコミュニケーションをしっかり取って役作りや演技プランに生かしている様子が伝わってきます。

ちなみに『海のはじまり』が描いているのは夏と海の親子関係だけではありません。水季と海、水季と母・南雲朱音(大竹しのぶ)、父・南雲翔平(利重剛)、夏と母・月岡ゆき子(西田尚美)、父・月岡和哉(林泰文)、夏と実父・溝江基春、さらには現恋人・弥生と海、父親代わりのような存在だった津野晴明と海などのさまざまな親子関係にもスポットを当て、それぞれの感情を丁寧に描いています。

ここまでさまざまな親子の関係性を徹底的にフィーチャーしたドラマは記憶になく、その意味で今夏屈指の力作と言っていいでしょう。

海のはじまり
目黒(写真右)が演じる主人公の元恋人・水季の父母を演じるのは、ベテラン俳優の大竹しのぶと利重剛(画像:『海のはじまり』公式サイトより)

“プロデュース・村瀬健×脚本・生方美久”のタッグは『silent』『いちばんすきな花』に続く3作目ですが、初の月9ドラマ挑戦であることも含めて局内での期待値は高く、特に「配信再生数やTVerお気に入り登録数のトップは獲れるだろう」という見方をされていました。

そのような撮影現場を取り巻く周囲のムードが主演を務める目黒さんのプレッシャーにつながっていても不思議ではありません。

そんな期待値の高さを裏付けているのが、全12話という放送回数。村瀬プロデューサーが「近年の連続ドラマとしては非常に珍しいケース」と語っているように、現在は10話がベースで、少なければ9話、多くても11話だけに、12話であることの公表は期待や自信の裏付けと言っていいでしょう。

9月23日の最終回はすでに他局が改編期特番を放送している連ドラにとって厳しい時期ではありますが、「それでも勝負になる」とみられているのです。

海のはじまり
1話延期と全12話を放送することを発表したコメント(画像:『海のはじまり』公式サイトより)

「普通の人」から振り幅が広がる

では『海のはじまり』の主演を務めることで目黒さんの俳優業にはどんな未来が考えられるのでしょうか。

『海のはじまり』のような心の機微を描いた作品、しかも説明的なセリフに頼れない作品で主演を務め、評価を得られたら、間違いなくオファーの役柄の幅は広がるでしょう。

また、月岡夏がどこにでもいる28歳の会社員であることもポイントの1つ。「面倒なことや頭を使うことを避けるように生きてきたため、特に大きな挫折を経験したことがない」という性格も含め、“普通の人間”を演じたことで「イケメン俳優」「アイドル俳優」というレッテルを貼られたり、視聴者のバイアスがかかったりというケースは減るはずです。

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