活動休止・目黒蓮「月9の重責」が示す俳優業の未来 指針となるのは、旧ジャニーズの"演技派先輩"

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まず『海のはじまり』のおおまかなあらすじを書いておきましょう。

物語は印刷会社で働く月岡夏(目黒蓮)が大学時代に付き合っていた南雲水季(古川琴音)が亡くなったことを知り、葬式に向かうところからスタート。葬式で会った少女・海(泉谷星奈)が実は自分と水季の子どもであることを知って驚きを隠せない。

夏は水季とは大学時代に突然別れを切り出されてから7年間1度も会う機会がなく、就職して恋人・百瀬弥生(有村架純)と別の人生を歩んでいたが、葬式の日を境に海や親になることと向き合っていく……。

「戸惑い」を演じ分けるのが難しい

では目黒さんが演じる月岡夏は、どんな役で、どんな難しさがあるのか。

目黒さんにとって父親役は初めてであり、「子どもと対峙するシーンが多い」というだけで難しさがありますが、しかも今回の役は普通の父親ではありません。

夏は大学時代、水季から中絶同意書の署名を求められて応じたという罪悪感を抱えていました。自分の子どもが生まれていたことすら知らなかったため、父親としての自覚がまったくない状態。

しかもその子どもは乳児でも幼児でもなく、すでに小学生になっていたため、なおさら実感が湧かないのでしょう。もちろん夏は子育てをしたことがないため、目の前にいる6歳の少女にどう接したらいいかまったくわかりません。

それどころか、海と接するたびに「なぜ水季は7年間も知らせてくれなかったのか」「どんな7年間だったのだろう」などと考えてばかり。ただそれでも純粋に自分を慕ってくれる海の姿から、少しずつ親のような感情が芽生えていきます。

目黒蓮
徐々に心が通い出した主人公と娘(画像:『海のはじまり』公式サイトより)

夏は口数の少ないタイプだけにセリフに頼ることができず、目黒さんに求められているのは、表情や佇まいなどによる繊細な感情表現。

さらに夏には「嫌いで別れたわけではない元恋人が亡くなったというショック」「現恋人の弥生にどう伝えればいいのか」「水季の両親や彼女を支えた同僚にどう接したらいいのか」「自分が父になろうとする一方で、実父・溝江基春(田中哲司)とはどう向き合えばいいのか」など、とにかく戸惑うシーンが多く、それぞれの感情の違いを演じ分けるのが難しいのです。

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