中国アリババ、本丸「国内EC事業」がマイナス成長 4~6月期、海外EC事業の急成長と明暗分かれる

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「中国のEC市場におけるわが社のシェアは、徐々に(下げ止まって)安定しつつある。淘宝天猫コマース・グループの4~6月期のGMV(流通取引総額)は、前年同期比で1桁台後半のプラスだった。今後の数四半期のうちには、先行投資の成果が業績に反映されるだろう」

アリババCEO(最高経営責任者)で淘宝天猫コマース・グループのトップを兼務する呉泳銘氏は決算説明会でそのように述べ、国内EC事業の先行き不安の打ち消しに努めた。

国内EC事業のトップを兼務するアリババCEOの呉泳銘氏は、経営改革の成果を求める市場のプレッシャーにさらされている(写真は同社ウェブサイトより)

国内での苦戦とは対照的に、アリババの海外EC事業は急成長を維持している。海外EC事業を束ねる「インターナショナル・デジタル・コマース・グループ」の4~6月期の売上高は292億9300万元(約6066億円)と、前年同期比32%増加した。

アリババによれば、海外EC事業の4~6月期の成長を牽引したのは、越境ECの「全球速売通(アリエクスプレス)」が提供する公式おすすめ商品の優遇販売サービス「Choice(チョイス)」だ。その好調な受注が、(全球速売通の出店企業から受け取る)受託販売手数料の収入を押し上げたという。

クラウド事業の利益率改善

とはいえ、インターナショナル・デジタル・コマース・グループの4~6月期の調整後EBITAは37億600万元(約767億円)の赤字であり、損失額が前年同期の4億2000万元(約87億円)から大幅に膨らんだ。

その要因についてアリババは、「全球速売通およびトルコのEC子会社『Trendyol(トレンドヨル)』の投資負担が増えたため」と説明した。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

アリババがEC事業と並ぶ基幹事業に位置付けるクラウド事業は、4~6月期の売上高が265億4900万元(約5498億円)と前年同期比6%増加。調整後EBITAは23億3700万元(約484億円)と前年同期の2.5倍に増加し、6大事業グループの中で最大の増益幅を記録した。

クラウド事業の利益率改善について同社は、経営資源を(利益率が高い)パブリッククラウドに集中し、プロダクトミックスの改善と事業効率の向上を図ってきた成果だとしている。

(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は8月16日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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