小林:やはり早稲田や慶應ですね。常見さんや私が受験をした時代にも学力が足りなくても早慶を記念受験する風潮はありました。
常見:ありましたね。「早稲田の文系学部ほぼ制覇」みたいな受け方をする人が。
小林:しかし、今のような時代、各家庭の経済状況ですと、記念受験ですら費用を負担と感じるため、受験を避ける傾向にあります。そんな中、明治大学は「チャレンジ大学」つまり「頑張れば行ける有名大学」としてのポジションを確立して、受験生が目指しやすい大学になりました。
関東エリア | 東海エリア | 関西エリア | |
---|---|---|---|
男子 | 明治大学(昨年1位) | 名城大学(昨年1位) | 近畿大学(昨年2位) |
女子 | 明治大学(昨年1位) | 名古屋大学(昨年1位) | 関西大学(昨年1位)、関西学院大学(昨年3位) |
文系 | 早稲田大学(昨年2位) | 南山大学(昨年2位) | 関西大学(昨年1位) |
理系 | 明治大学(昨年1位) | 名古屋大学(昨年1位) | 神戸大学(昨年1位) |
上位にランクインする大学は大学改革に積極的
常見:なるほど。確かに今はそういう位置づけにいますよね。ただ景気といった外部要因だけでなく、大学側の努力もブランドの確立に貢献したのではないでしょうか。僕らが学生だった時代と比べて、今の明治大学はかなりオシャレでスマートなイメージになったと思います。
小林:そうですね。やはり進学ブランド力調査で長年上位にランクインする大学は、大学改革にも積極的です。明治大学の場合は、学部・学科のラインナップも多様になりましたし、女子学生を増やすためにキャンパス環境への投資も惜しみませんでした。1998年に建設された「リバティタワー」はまさに明治大学の改革の歴史の象徴ともいえます。
常見:私、学生時代に本や楽器の弦を買いに御茶ノ水によく出かけたのですが、正直、当時の明治大学のキャンパスはモサッとした感じがして。学生運動の看板もたくさんあり、やや近寄りがたい雰囲気すらありました。余談ですが、学生運動の立て看板に「◯月◯日◯時より総決起集会!」みたいな文字があって、よく見ると「今日じゃん!」と思ったのですが、その場所に全然学生がいなくて「なんだかな」と思ったこともあります。
リバティタワーが建ってからは、御茶ノ水という街全体が明るくもなりましたよね。若い女性が一人で歩いていても不自然ではなくなりました。国際日本学部の立ち上げも話題になりましたよね。
小林:その他ですと、卒業生も明大の魅力につながっています。昔ですと、高倉健、北野武、星野仙一がその代表でした。バンカラなイメージが強かったですね。今の高校生に明大の卒業生を聞いてみると、北川景子、山下智久、井上真央、長友佑都の名前が最初に挙がります。その時代ごとに、高校生のあこがれの対象となる卒業生がいることも大きな強みではないでしょうか。
常見:企業の人事担当者をインタビューすると、「最近の明治は生意気だ」という声をよく聞きます(笑)。人気ナンバーワンになってから受験した人が社会に出始めているということのようで。今までの明治のイメージとはまるで違うと評判です。ところで、大学関係者の間では、明治が人気でも受験者数でもナンバーワンになったのは、複数学部を受験すると割り引きになる施策があたったからだという説を聞きますが、そのあたりはどうでしょう?
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