日本円は、本当に「安全通貨」と言えるか 世界最大級FX会社幹部が見た「円の問題点」

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これらの潜在リスクがあるからこそ、FX会社を選ぶ際も、慎重に行う必要がある。例えば今年1月、スイス国立銀行が、スイスフランの対ユーロ上限を撤廃したため、スイスフランが対ユーロで暴騰するという「スイスフランショック」が起こった。

この時、多くのFX会社ではレートがスリップしたり、破綻に追い込まれたりするところも出てきた。だが、ゲイン・キャピタルは事前にマーケットの異変を察知していた。

手数料やスプレッドだけでFX会社を選んではいけない

同社によると、当時からユーロ/スイスフランの取引に異常な偏りが見られたという。そのため、スイスフランショックが起こる数カ月前から証拠金率を引き上げるなどして、投資家が高いレバレッジを掛けてポジションを持てないようにしていた。

その結果、「リスクは限定され、わが社で取引をする投資家は、大きな損失を出すこともありませんでしたし、会社の財務健全性も維持できました。日本では、スプレッドの狭いFX会社が持てはやされる傾向がありますが、これだとマーケットが混乱した時に、取引が成立しなくなる恐れがあります。大事なのは手数料やスプレッドの小ささではなく、いざという時に投資家と会社の財務健全性を守れるリスク管理ができているかどうかに尽きます」。

ショックはいつ起こるかわからない。自分の資産を守るためにも、リスク管理のしっかりしたFX会社を取引相手に選ぶ必要性が、今後ますます高まってきそうだ。

鈴木 雅光 JOYnt 代表、金融ジャーナリスト

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すずき・まさみつ / Masamitsu Suzuki

1989年岡三証券入社後、公社債新聞社に転じ、投信業界を中心に取材。2004年独立。出版プロデュースやコンテンツ制作に関わる。著書に『投資信託の不都合な真実』、『「金利」がわかると経済の動きが読めてくる!』等。

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