ソニー復活への道険し。12年3月期は4期連続最終赤字、テレビ事業の赤字倍増でリストラ実施へ

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ソニー復活への道険し。12年3月期は4期連続最終赤字、テレビ事業の赤字倍増でリストラ実施へ

ソニーの今2012年3月期は、4期連続の最終赤字に転落する見通しだ。2日の11年4~9月期(上期)決算で、大幅な下方修正を発表した。

修正後の数値は、売上高が前期比9.5%減の6兆5000億円(従来の会社計画は7兆2000億円)、営業利益は200億円(同2000億円)となる見通し。米国会計基準を採用しているため税負担が重く、最終赤字は900億円(同600億円の黒字)となり、4期連続赤字が決定的となった。

東洋経済は従来から会社計画に未達感があるとして、売り上げ7兆1000億円、営業利益1800億円と予想していたが、今期予想を会社修正値に合わせ、来13年3月期予想を下表のように見直す。

ソニーにとって、今期はあまりに外部環境が悪すぎた。3月の東日本大震災で部品不足となり、半導体やデジタルカメラの生産に影響が及んだ。下期(10月~12年3月期)に挽回を計画していたが、タイの洪水で自社のデジタルカメラ工場が被災。損害保険でカバーできるものの、新商品発売スケジュールの遅れや機会損失から、営業利益250億円のマイナス影響が出ると試算する。

円高も痛手だ。特にユーロ安が深刻で、7月時点では1ユーロ=115円前提で見ていたが、これを105円に見直した。1円円高で60億円、利益にマイナス影響が出る。為替だけでざっくり営業利益650億円の引き下げ要因となる。

こうした外部環境の悪化に加え、主力のエレクトロニクス事業も振るわない。特に、7期連続赤字が続くテレビ事業は、欧米の市場悪化が直撃。販売台数の減少に加え、値下げ競争が激化した。7月時点では今期の部門赤字800億円程度と見られていたが、これが1750億円まで拡大する見通しだ。

平井一夫副社長は2日、テレビ事業の構造改革を発表した。これまでは年間販売目標4000万台に向けた体制を整えてきたが、2000万台体制へ引き下げる。液晶パネル調達の抜本的見直しや、モデル数削減、販売子会社の再編に伴う人員削減・再配置を実施。来13年3月期は赤字を半減させて、14年3月期に収支均衡圏を目指すという。

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