戦後、アメリカの「結婚」はここまで変わった

強制収容から同性婚が認められるまで

今日、合法的に結婚した異人種間のカップルを見て顔色を変えるようなアメリカ人はほとんどいない。実際、カリフォルニア州のような場所では、アフリカやアジア、欧州、ラテン、ネイティブアメリカ人など複数の人種の血を引く子どもが数多くいる。子どもたちは誇りを持って自分の祖先の話をするし、祖先の人種が多様であればあるほど伝統や気質もカラフルになるのでうらやましがられる。

激変するアメリカの歴史を生き抜くタケイ氏。自らの体験に基づいたミュージカル「Allegiance (アリージェンス:国家などに対する「忠誠の誓い」)」が11月8日ニューヨーク、ブロードウェイにて開幕する
 

時代が大きく変わったのは私自身がもっとも感じている。私は、2008年に白人のアメリカ人と結婚したが、このとき誰も私たちの人種が違うことに気を留めなかった。その代わり、その当時のアメリカの自由と平等を試すことになったのは、私の配偶者が女性ではなく、男性ということだった。

80年間でアメリカはずいぶん変わった

LGBT(性的マイノリティ)の権利と結婚の平等を求めることは、人種、宗教、性別、性的嗜好に関わらず、すべての人に自由を約束するための長い闘いだ。

結婚の平等については、振り子が振れるのはかなり早かった。1996年末、米国議会は州での結婚に関する連邦政府の認識を拒否し、結婚防衛法を通した。同性カップルに対して結婚許可証を提供するオープンでリベラルな州もあったが、政府自体は同性婚を認めなかったのである。これは税金や相続、および病院での面会の権利を含む多くの領域において深い意味を持っていた。

これに対して、LGBTカップルの一部は政府に強いプレッシャをかけてきた。もし結婚が基本的な権利で、すべてのアメリカ人が愛する人と結婚する権利を持つのならば、アメリカの法律はゲイやレズビアンをその法律の適用外にすべきではないと主張してきたのである。この議論と闘いは、最高裁が2013年に再び行動を起こし、結婚防衛法を「違憲」であると判断するまでの17年間に及んだ。そして今年さらに最後のステップが進み、全ての州で性的嗜好を理由に結婚許可証の提供を拒否することができなくなったのだ。

真珠湾を爆撃した人たちにたまたま似ているからという理由で、私たち12万人を強制収容したときのアメリカから、すべての国民が人種や性的嗜好に関係なく、結婚についての平等と自由が与えられている今日のアメリカまで、私たちは本当に遠くまでやってきた。

これらすべては、私の80年間近くを通して直接私が体験したことであり、私は物事が変わるのを見てこられただけでなく、変化を促す手伝いをできたことを誇りに思っている。アメリカは私を4年間拘束した国だが、現在はブラッドと私のお互いの愛を認め、抱きしめてくれる国でもある。しかし、平等を広げる試みはこれで終わらない。今後も移民、障害者、そしてトランスジェンダーなど、この国を形作るさまざまな人々に自由と平等をもたらす挑戦は続くのである。

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