フランス女性の「食事観」は日本人と全く違う

食事も弁当もシンプルさを優先

火を使わずに、夕食を調えることも可能だ。ハムなどの肉加工品とチーズにパン、サラダで十分満足できる。

フランスでハムを味わって、日本の「ハム」と違うことに驚いた。フランスのハムはスーパーで購入できるパック詰めの品でさえ、分厚く、塩漬けの肉という風格を保っている。肉屋では、骨付きのハムをそぎ切りにしてくれる。こちらは、ちょっとしたごちそうにもなる、豊潤な味わいだ。

チーズは、毎日違うチーズを食べても、1年間では食べきれないくらいの種類があるので、飽きがこない。野菜は、それ自体の味が濃いので、凝った風味のドレッシングは必要ないくらいだ。フランスでは、日本に比べて、市販のドレッシングは種類が少ない。ドレッシングに関しては、手作り派が多いようだ、酢と油、塩こしょうを混ぜて、手早く作ってしまう。バルサミコ酢や赤ワイン酢など、数種類の酢を常備している人もいる。

街角に必ずあるパン屋は朝早くからオープンしている

そして、パン。街のあちらこちらにあるパン屋の中からお気に入りの店を見つけ、焼き立てのバゲットを手に入れれば、1日の締めくくりにふさわしい夕食になる。

ほかにもフランスの家庭の食卓によく登場する、帰宅して長時間、キッチンに立たなくてもよい献立がある。

肉なり、魚なりに塩こしょうをして焼き、温野菜や生野菜を添える。簡単だが、栄養のバランスのとれる一皿だ。肉や魚をオーブンで焼けば、立ち仕事の時間をより短くできる。また、ハーブをふりかけてから焼いたり、肉にはマスタード、魚にはレモンを添えたりすると、一層フランス料理らしくなる。

週末のおもてなし、ごちそう作りは家族総出

日本の家庭では、和洋中さまざまな料理を作るが、フランスの家庭では、基本的にフランス料理を作る。調味料をたくさんそろえる必要がないから、買い物が楽だし、使い切れない調味料を捨てることも少ない。また、「台所が汚れるのが嫌だから」と、揚げ物をする家庭は少ない。確かに、揚げ物をしないと、コンロ回りの汚れは格段に減る。

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休日には人を招くことも多いフランス人。マルシェの魚屋でも多くの種類の魚を扱っている

とはいえ、毎日、簡単料理では飽きてしまう。平日の食事の簡素さと裏腹に、週末は友人や親せきを招いて、ごちそうをいただく家庭が多い。週末のマルシェの魚屋では、見栄えのする大ぶりな魚や貝類が並ぶ。肉屋でも、イチジクを詰めたホロホロ鳥など、おもてなし向けの商品をそろえる。

ごちそう作りを母親だけが担うのではなく、家族全員が関わるのもフランス流だ。週末に招かれたパリ市内の友人宅での昼食では、小学生の末娘が食前酒のおつまみのカナッペを作成。

母親がサラダとグラタンを作り、父親が大きなタイを焼いて、ふるまってくれた。中学生の長女は、デザートのチョコレートムースを担当。高校生の長男は、勉強に忙しそうだったが、「僕はお皿を運んで、みんなの席にナプキンを置いて、テーブルセッティングした」と主張する。

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