アプリ開発者側から見ても、XRヘッドセットユーザーだけではなくスマートフォン/タブレットのユーザーもターゲットしたアプリを作れば、収益性を高められそうだという期待感がある。
エンタメ重視のメタにとっては試練となるか
対してメタのMeta Questストアは、ゲームやフィットネスなど個人で楽しめるエンタメ系アプリは豊富で、クオリティも高い。7月にアーリーアクセス版が公開されたゲーム「進撃の巨人VR: Unbreakable」は発売3日目で全世界週間1位となるなどグローバル人気が高く 、数多くのQuestユーザーが調査兵団の一員となって巨人退治に勤しんでいる。
しかしBtoBの分野となると、弱い。デバイスの販売台数は多くともコアユーザーが若年層であることが原因か、現在Meta Questストアで提供されているBtoB向けのアプリは数が少ないし、完成度が低い。Microsoft Word、Excel、PowerPointはまだいいものの、マルチデバイス対応の業務用コミュニケーションアプリであるMicrosoft Meshは操作性が悪く、コマ落ちしているように画面もガタついている。とりあえず作ってみた、そんな習作の雰囲気も感じられる。
Quest 3はAndroid準拠のデバイスゆえにAndroid用アプリの一部が使えるが、Google Playにはアクセスできないためインストールするにはかなりの手間を必要とし、現実的ではない。Androidアプリ、Android XRアプリを開発する企業や開発者を迎え入れ、Meta Horizon OS用アプリとして移植してもらい、Meta Questストアで提供してもらうためのフレームワークを作る必要があるだろう。
豊富なアプリ資産をもとに、ビジネスマンが仕事で活用できる空間コンピューター/OSを作ったアップル。同じ思想を持ちながら、Androidビジネスモデルの利点を活かそうとしているGoogle。そしてホビーパソコンならぬ、ホビー空間コンピューター/OSとしての価値は極めて高いメタ。
どの企業がXR業界を率いていく存在になるかは、当分わからない。しかし今までアップルvsメタの戦いだった舞台にGoogleが参戦することで、競争が激化することは間違いない。
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